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2022.09.22

千葉ロッテの若きスピードスター! 髙部瑛斗の高校時代

大混戦となっているパ・リーグの2022年シーズン。序盤、スタメンの怪我などで悩まされた千葉ロッテマリーンズに救世主として頭角を現したのが、自慢の快足や安打量産でブレイクを果たしたプロ3年目の髙部瑛斗(あきと)だ。そんな髙部瑛斗がスターとなる前夜に迫る。連載「スターたちの夜明け前」とは……

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写真:日刊スポーツ/アフロ

高校時代から備えていた、盗塁王のポテンシャル

佐々木朗希(ロッテ)の完全試合を含め5人もの投手がノーヒット・ノーランを達成するなど、歴史的な“投高打低”となっている今年のプロ野球。野手にとっては厳しいシーズンとなっているが、そんな中で大きくブレイクした選手の一人がロッテの髙部瑛斗だ。

昨年までの2年間は一軍でわずか9安打にとどまっていたものの、今年は開幕から1番に定着するとヒットと盗塁を量産。ここまでチームトップの133安打を放ち、両リーグでもダントツとなる38盗塁をマークするなど打線を牽引する存在となっているのだ(成績は2022年9月15日終了時点)。残り試合数を考えると初のタイトルとなる盗塁王の獲得は確実と言っても良いだろう。昨年までのプレーぶりから、ここまでの活躍を予想していたファンは少なかったのではないだろうか。

そんな髙部は関東でも屈指の強豪校である東海大甲府の出身だが、高校時代は決して騒がれるような存在ではなかった。初めてプレーを見たのは2015年5月に行われた関東大会の対佼成学園戦だ。この試合で髙部は2番、センターとして出場し2安打を放っているが、当時のノートに髙部に関するメモは残っていない。当時のプロフィールは174㎝、68㎏と強豪校のレギュラーにしては体が細く、4番を打つ平井練(現テイ・エス テック)の方が明らかに打撃の力強さは勝っていた。

少し印象を改めたのは3ヵ月後に出場した夏の甲子園、静岡高校との試合だ。春は2番を打っていた髙部はこの大会では1番に昇格。第2打席でセンター前ヒットを放ったが、目に留まったのはその打席ではない。第4打席のファーストゴロでは明らかに途中で足を緩めながらも一塁到達タイムは4.15秒をマーク。これは左打者としても十分に速いタイムであり、打ってからトップスピードになるまでの加速は見るべきものがあった。そして7対7の同点で迎えた8回の第5打席ではサードへの送りバントで相手のエラーを誘い(記録は犠打と三塁手のエラー)、決勝点を演出している。この時もしっかり打球を転がしてからスタートしたにもかかわらず、一塁到達タイムは3.85秒をマークしている。プロでも盗塁を量産できるスピードは当時から持ち合わせていたと言えそうだ。

リーグでもトップレベルの安定した打撃フォーム

高校時代はドラフト候補と呼べるほどの存在ではなかったが、その才能は大学で大きく花開くこととなる。国士館大進学後にプレーを初めて見たのは2016年5月4日に行われた対東京農業大戦だ。髙部はこの試合で1年生ながら1番、センターで出場。チームは2対8で敗れたものの、第2打席でライトへのタイムリーツーベースを放つと、9回の第5打席にもレフトへのツーベースを放つ活躍を見せたのだ。

高校から大学に進学するとまず苦労するのが木製バットへの対応だが、髙部のバッティングからはそんな様子は全く見られなかった。当時のノートにも「1年生とは思えないバッティング。少し重心を下げて低く構え、下半身を使って上下動することなく鋭く振り出す。スイングの軌道も理想的でコースに逆らわず見事に打ち分ける」とある。翌日の試合は1安打に終わったものの、第1打席に内野安打で出塁すると盗塁も成功。この日のノートにも「脚力は東都全体(国士舘大は二部所属)の中でもトップレベル。いきなりスタートを切れる思い切りの良さも光る」と書かれている。その後も4年生になるまで髙部の試合を見る機会は多かったが、ノーヒットに終わった試合は一度もなかった。

甲子園には出場しているものの全国的に有名な選手というわけではなく、大学でも4年間二部リーグでプレーしていたこともあって、入団前のファンからの注目度はそれほど高くなかったかもしれないが、持っているポテンシャルの高さは確かなものがあったことは間違いない。今後は打撃面も走塁面でもマークが厳しくなることが予想されるが、その中で更にレベルアップを果たし、毎年タイトルを争うような選手になることを期待したい。

Norifumi Nishio
1979年愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。在学中から野球専門誌への寄稿を開始し、大学院修了後もアマチュア野球を中心に年間約300試合を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。

連載「スターたちの夜明け前」とは……
どんなスーパースターでも最初からそうだったわけではない。誰にでも雌伏の時期は存在しており、一つの試合やプレーがきっかけとなって才能が花開くというのもスポーツの世界ではよくあることである。そんな選手にとって大きなターニングポイントとなった瞬間にスポットを当てる!

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TEXT=西尾典文

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