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2022.08.26

“キックの王子様”こと白鳥大珠が格闘家を目指した理由とは

華やかな戦績とスタイリッシュなオーラをあわせ持ち、キックボクシングブーム再燃の期待を背負うプロキックボクサー・白鳥大珠。モデルと見紛うようなクールな佇まいに内燃する、熱い闘志とパッションに肉薄する。連載「NEXT GENERATIONS」とは……

連載「NEXT GENERATIONS」

若きキックの王者に女性ファン殺到

2022年7月に開催されたイベントの会場は、まるで人気絶頂のアイドルのファンミーティングの様相をみせていた。立ち技打撃格闘技RISE(ライズ)のファンイベントでひときわ目立っていたのは、開場と同時に殺到した若い女性ファンたち。2000年代の格闘技ブームを知る世代ならいざしらず、試合会場に若い女性たちの姿を見るのはずいぶん久しぶりのことだ。彼女たちの“推し”の名前の入ったうちわやステッカーが数多く振られるなか、那須川天心などのスター選手に続き、ひときわ大きな声援を受けていたのが“キックの王子様”こと白鳥大珠だ。

「空手を習い始めたのが6歳の頃。父が大の格闘技ファンで、自分の子どもに格闘技をさせたいとずっと思っていたらしく、伝統空手と極真空手の両方を見学に行かされたんです。子どもでしたから寸止めよりもフルコンのほうが楽しそうに見えたんでしょうね。こっちがいいと親に言って、極真空手の道場に入門したのが格闘技を始めたきっかけです」

背中を押した父の目利きが、相当優れていたのはいうまでもないだろう。白鳥は、小中学校でともにジュニアのタイトルを獲得するなど順調に空手道を邁進。その一方で、白鳥少年が夢中になっていたのが、当時、テレビのゴールデンタイムで放送されていた全盛期のK-1だ。空手出身の選手の活躍もさることながら、白鳥少年が憧れたのはK-1 WORLD MAXで2度の世界チャンピオンに輝いた魔裟斗選手。世界の中量級の選手と互角に戦うカッコよさに魅せられ、自分も同じリングに立ちたいと、中学2年でキックボクシングのジムに入会する。

「当時は未来のプロキックボクサーを発掘する『K−1甲子園』というプロジェクトがあり、過去に出場したことのある先輩がいる近所のジムに入りました。キックを始めたばかりの頃は本当に楽しくて、学校が終わってからは毎日ジムに直行していました。同級生との遊びよりもそっちのほうが楽しくて(笑)。キックは空手の実績があったので移行しやすかったのと、極真では禁止だった顔面へのパンチもOKだったので夢中になりましたね。でも自分がジムに入会した頃は、もう魔裟斗選手も引退していましたし、K-1の大会もほとんどなくなっていたので、将来の目標ではなかったのですが、またいつかキックが盛り上がるだろうという期待はあったので、練習への情熱は消えることはなかったです」

白鳥大珠氏02

ボクシングへの転向も「いい回り道」

その後、白鳥は2015年にボクシングへ転向。プロ8勝3敗の好成績を残したのちに、2018年にキックボクシングに復帰することとなる。その2ヵ月後にマッチメイクされた試合では、ブランクを全く感じさせない試合運びに加え、ボクシング経験でより精度の増したパンチのキレで相手を1ラウンドでKO。誰もが思いもしなかったドラマティックな結果に、周囲からは大きな歓声があがった。

「ボクシングにはもちろん全力で集中していましたけれど、キックの試合も常にチェックはしていました。『今、キックに戻ったら、あの時よりも上に行けるなぁ』と思ったり。込み入った事情があっての転向でしたけど、今となってはボクシングの経験は僕にとってかけがえのないものになっています。キックに戻ってから12連勝できたのも、ボクシングで得たテクニックのおかげです。回り道だったという人もいますが、僕にとっては確実に『いい回り道』でしたね」

キック復帰後の白鳥は、まさに破竹の勢いといっていいほどの活躍を見せることとなる。冒頭の立ち技打撃格闘技RISEのリングを中心に、2018年の大晦日にはRIZINにも初出場。翌年にはRISE WORLD SERIES 2019 -61kg トーナメントで優勝。また2021年には、RIZIN KICK ワンナイトトーナメント -61kg優勝と、着実に戦績を積み重ねた。折しも格闘技界では、若く新しいスターの活躍に加え、ネット配信といった観戦スタイルの変化も追い風となり、キックボクシング人気が再燃の兆しをみせ始めていた。魔裟斗選手のファイトスタイルに憧れ、大きな歓声が飛び交うリングに上がりたいと思っていた白鳥にとって、望んでいた状況に近づきつつあった。

「試合会場でのお客さんの盛り上がりを肌で感じていると同時に、『THE MATCH 2022』のようなビッグマッチも期待以上に盛大だったので、自分でもキックボクシングがまた注目されてきているのは実感しています。一方で、この盛り上がりをさらに大きなうねりにしていくことも、自分たち選手の責任でもあるし、闘いだと思っています。おかげさまで先日のファンイベントも盛り上がりましたし、ふだん格闘技イベントに足を運ばない方々に多くいらしていただいたのがとても嬉しいです。格闘技界が確実に変わってきてるなというのは、最近ものすごく感じますね」

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Taiju Shiratori
1996年東京都生まれ。プロキックボクサー、TEAM TEPPEN所属。6歳から格闘技を始め、2011年にキックボクサーとしてプロデビュー。現在は、RISEとRIZINのリングで活躍するほか、モデル、タレントとしても活動の幅を広げる。戦績は33戦23勝(10KO)9敗1分。RISE WORLD SERIES 2019 -61kg級王者、第5代RISEライト級王者、RIZIN KICK ワンナイトトーナメント優勝。180cm、63kg。

 

■連載「NEXT GENERATIONS」とは……
新世代のアーティストやクリエイター、表現者の仕事観に迫る連載。毎回、さまざまな業界で活躍する10~20代の“若手”に、現在の職業にいたった経緯や、今取り組んでいる仕事について、これからの展望などを聞き、それぞれが持つ独自の“仕事論”を紹介する。

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TEXT=畠山里子

PHOTOGRAPH=片桐史郎(TROLLEY)

STYLING=ゲーテ編集部

HAIR&MAKE-UP=AKANE

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