PERSON

2022.08.27

「いつか東京ドームでメインを張る」格闘家・白鳥大珠が語った敗戦の記憶と未来

キックブーム再燃の期待を背負うキックボクサー・白鳥大珠に迫る第二弾。“キックの王子様”と呼ばれる若き格闘家が語った、『THE MATCH 2022』の思い出やプライベートの過ごし方、そしてさらなる未来への展望とは。連載「NEXT GENERATIONS」とは……

白鳥大珠氏01

『THE MATCH 2022』での敗戦もいい経験

アイドルばりのルックスでキックボクシングファンの裾野を広げる活動をしながらも、サウスポーから繰り出されるキレのある左ストレートで、数々の名勝負を繰り広げてきた白鳥大珠。そんな彼に立ちはだかる大きな壁となったのが、2022年6月に東京ドームで開催された立ち技のメガイベント「THE MATCH 2022」での、元K−1ライト級王者ゴンナパー・ウィラサクレックとの対戦。格上の相手との対戦が大いに期待されるも、結果は無念の1ラウンドKO負けとなった。

「ふだん試合で負けたときの立ち直りは、比較的早いほうです。が、今回はすごくショックでしたし、悔しい気持ちでいっぱいになりました。試合から1ヵ月経った今はだいぶ落ち着いて、また東京ドームの大舞台に上がりたい、頑張りたいという前向きな気持ちになっています。『THE MATCH 2022』でのゴンナパー戦は負けはしましたけど、自分にとってはすごくいい経験になりました。なによりも東京ドームでみた入場時の光景が、それまでの記憶が霞んでしまうほどの壮大な景色だったんです。次の試合はまだ決まっていませんが、前回思いっきりぶっ倒されたので、次は思いっきり相手をぶっ倒して、さらに強くなった白鳥大珠をみなさんにお見せしたいです」

早くも次戦への意気込みを語る白鳥だが、現在は毎日練習に通いつつ、パワーを充電する毎日だという。ただ、期待の注目選手を周囲が放っておくわけがなく、取材やテレビ番組出演のオファーは絶えることがない。今回のインタビューでも、モデルとしての経験もあり、自身も大好きだというファッション撮影にトライ。撮影用の服に触れたり眺めながら、好みのシルエットや気になるスタイリングを楽しげに語る様子は、26歳の爽やかな好青年そのものだ。

「こういうファッション撮影は、ふだん自分が手に取らないような服が着られるので、新しい発見があって好きです。今までは黒ベースの服が多かったんですけど、最近は爽やかなイメージを意識して、明るめなテイストに変わってきています」

そんな白鳥は、歳を重ねるとともにプライベートの過ごし方にも変化が現れてきているという。

「以前は休みの日にスイーツ巡りとかしていたんですが、最近は全く行かなくなりましたね。今、興味があるのはゴルフです。8月に初めてコースを周るので、今からめちゃくちゃ楽しみです。あと最近はサウナもよく行っていて、多い時は週5で通ったりしています。サウナは減量時には一切行かず、単純にリラックスするため、何も考えないで無になりたいと思いながら入ってます。ただし試合が決まったら、1〜2ヵ月前からもう他のことができないので、すべて今だけの楽しみです。別の楽しみがあるとリフレッシュできるし、また新しい気持ちで格闘技に取り組めますから」

趣味や遊びに話題が飛んでも、結局はキックボクシングの話に戻ってくるのが生真面目な白鳥らしさなのだろう。

連載「NEXT GENERATIONS」

ジャケット¥48,400、モックネックカットソー¥30,800(ともにヴェイン/サカス ピーアール TEL:03-6447-2762)

夢見る未来は、東京ドームでメインを張れるキックボクサー

最後に未来の自分の姿はどうなっていると思うかと尋ねると、心底格闘技が好きで、キックボクシングをこよなく愛する格闘家らしい答えが返ってきた。

「現役のキックボクサーですから、最終的にはやはり世界で戦っていける選手になりたいですね。先日の東京ドームのリングは、那須川天心vs武尊というスペシャルな一戦がメインにあって、他の選手たちがその場に連れていってもらったという感覚なので、次は自分の実力で東京ドームでメインを張れるような選手になりたいと思っています。

次の試合からは階級を徐々に上げていき、ゆくゆくは70kgまで持っていきたいと思っています。自分が憧れたK-1で、それこそ魔裟斗さんが闘ってきた70kgとなると、世界には強豪がたくさんいます。そこの階級を目指して、高みを目指していきたいですね。あとは僕自身、挑戦できることにはなんでもトライして、知名度だったり影響力をさらに増していき、キックボクシングの楽しさをみなさんに知っていただきたいと思っています。魔裟斗さんのようになりたいと願った小さい時の僕がそうだったように、憧れの存在になれたら嬉しいです」

キックボクシング界のプリンスと言われた男が、世界を舞台に華々しい戦績を積み、立ちはだかる強敵を倒し、やがて名実ともにキングとなる。白鳥大珠のポジティブな姿勢を目の当たりにすると、彼が思い描き、夢見る未来は、必ずしも遠いものではないような気がするから不思議だ。次なる戦いに大いに期待したい。

■"キックの王子様”こと白鳥大珠が格闘家を目指した理由とは
■【未公開写真あり】キックボクサー白鳥大珠の、リングでは見せないイケメンの素顔

Taiju Shiratori
1996年東京都生まれ。プロキックボクサー、TEAM TEPPEN所属。6歳から格闘技を始め、2011年にキックボクサーとしてプロデビュー。現在は、RISEとRIZINのリングで活躍するほか、モデル、タレントとしても活動の幅を広げる。戦績は33戦23勝(10KO)9敗1分。RISE WORLD SERIES 2019 -61kg級王者、第5代RISEライト級王者、RIZIN KICK ワンナイトトーナメント優勝。180cm、63kg。

 

■連載「NEXT GENERATIONS」とは……
新世代のアーティストやクリエイター、表現者の仕事観に迫る連載「NEXT GENERATIONS」。毎回、さまざまな業界で活躍する10~20代の“若手”に、現在の職業にいたった経緯や、今取り組んでいる仕事について、これからの展望などを聞き、それぞれが持つ独自の“仕事論”を紹介する。

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TEXT=畠山里子

PHOTOGRAPH=片桐史郎(TROLLEY)

STYLING=ゲーテ編集部

HAIR&MAKE-UP=AKANE

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