師匠か、恩師か、目を掛ける若手か、はたまた一生のライバルか。相思相愛ならぬ「相師相愛」ともいえるふたりの姿を紹介する連載「相師相愛」。第72回は、元F1レーサーの片山右京が新幹線で偶然再会し、再び親交が始まった旧友とのエピソードを紹介する。ミロク情報サービス社長 是枝周樹が語る片山右京はこちら。【過去の連載記事】
片山右京が語る、ミロク情報サービス社長 是枝周樹
学年で一番目立ってた男ですね。誰もが一目置いていて、応援団長で副生徒会長で番長でイタズラっ子で、学校の誰かに何かがあったら、すぐすっ飛んでいく。背が高くてオールバックで。当時はガリガリでしたけど(笑)。
30代前半でしたが、あるとき新幹線に乗っていたら、後ろからガバっとのしかかってこられたんですよ。びっくりしたというよりも、コンマ2秒で誰だかわかりました(笑)。僕は背が小さかったので、高校時代にこれをよくやられていましたから。是枝は変わってなかった。それで食事をして、後に自転車チームも応援してもらうようになって。経営者ですから、発想も大胆なんです。元五輪選手に会え、とか、Jリーグのチェアマンだった人に声をかけてみろ、とか。きっと会ってもらえるはずだ、と。
それにしても、あの是枝がテレビCMを打ってる会社の社長なんですから、隔世の感があります。でも、そのCMに僕が出たりしているわけですから、本当に人生は面白いです(笑)。
思春期を一緒に過ごした仲間が頑張っている。今、立っている場所は、あの頃、琴線に触れて夢見ていた場所とは違うかもしれないけど、今日も全力で走っている。それはやっぱりうれしいし、刺激になりますよね。是枝からは、いつも大きなインスパイアをもらっています。
来年はお互い60歳。昔は60歳って、年寄りだと思ったんですが、もっと頑張っている先輩はたくさんいて、50代じゃ小僧どころか、ひよっこなんです。まだまだ戦わなくちゃダメですね。一人ひとりが微力でも、みんながまとまれば大きな力になる。ビジネスでもスポーツでも、一緒に日本を元気にしていきたいです。
Hiroki Koreeda
1964年東京都生まれ。日大三高卒業後、アメリカの大学へ。フォーバル入社を経て起業。'94年、父が創業したミロク情報サービス(MJS)に入社。2005年より現職。
Ukyo Katayama
1963年東京都生まれ。日大三高卒。元F1レーサー、登山家。2001年チーム右京設立。’20年より現職。自転車レースのプロリーグを発足、世界挑戦を目指す。