師匠か、恩師か、はたまた一生のライバルか。相思相愛ならぬ「相師相愛」ともいえるふたりの姿を紹介する連載「相師相愛」。その貴重な対談の数々をまとめて振り返る。※2016年10月号、2022年2月号掲載記事を再編。固有名詞や肩書き、年齢等のデータは掲載時のまま
「超カッコマン」山井 太×山本善政 対談
山井 新発田の本社での初対面が、とにかく強烈でした。
山本 証券会社の営業担当と一緒に来たんだよね。
山井 まだ上場を迷っている時期で、話を聞いてみたらいいんじゃないかと。オーラと温かさが共存していて、こんな人がいるのか、と思いました。
山本 自分の10年前を見ているみたいだったね。肉食系で、超カッコマンで(笑)。
山井 上場時の記念盾や東証で鐘を鳴らしている写真を見せてもらって。僕にとっては最高のプレゼンテーションでした。
山本 リアルな体験を伝えるのが一番いいと思った。男ならやってみたら、と。
山井 そんな優しい言い方じゃなかった(笑)。「君、男だよな」「はい」「経営者だよな」「はい」「だったら、なんで上場しないんだ」みたいな。
山本 会った瞬間、これは上場できる男だ、と思った。
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「白井屋ホテルを造ったふたり」田中仁×藤本壮介 対談
建築好きな方に「若くてまだ実績はないけど面白い建築家がいる」と紹介してもらったのが、19年前。でもその時は、お願いしたプロジェクトが途中で止まってしまった。後に前橋の兄の家を設計してもらいましたが、借りがある気持ちが残っていて。ただ、お願いするからには藤本さんの個性が活きる仕事を、と思っていたのです。
前橋の老舗・白井屋旅館を改修する話が決まった時、真っ先に浮かんだのが藤本さん。行政と街のビジョンづくりから始める大プロジェクトを手がけながらになりましたが、新たなアートと食文化の発信の場を造れたと思います。毎月会議を繰り返し、6年半かかりました。ホテル建設ではありえない長さですが、起業家としては取り組んだら必ず成果を出したいのです。
類いまれなるクリエイティヴィティを持っていると、難しさもある場合が多い。でも、藤本さんは同時に多様な意見を包みこむ懐の深さも持っている。両方を備えている人というのは、なかなかいない。稀有な人だと思っています。
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