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2022.04.23

高木菜那の波乱万丈な競技人生の軌跡──連載「コロナ禍のアスリート」

まだまだ先行きが見えない日々のなかでアスリートはどんな思考を抱き、行動しているのだろうか。スポーツ界に暮らす人物の挑戦や舞台裏の姿を追う連載「コロナ禍のアスリート」から、高木菜那の戦いをまとめて振り返る。※2022年掲載記事を再編

スピードスケート高木菜那が北京五輪で切り拓こうとする未来

写真:picture alliance/アフロ

4年前に獲得した2つの金メダルは北海道帯広市の自宅の引き出しの中にある。ここ数年で手にした回数は数えるほどしかなく、ここ1年は1度も目にしていない。

2018年平昌五輪スピードスケートのマススタートと団体追い抜きで金メダルを獲得。高木菜那(29=日本電産サンキョー)は日本女子として五輪で夏冬通じて、初めて1大会2冠の快挙を成し遂げたが「金メダルは大切なものだけど、振り返ることはあまりしない。一日一日感覚は違うので、良かった時に戻りたいとは考えない。平昌五輪と北京五輪は切り離して考えている」と過去の栄光にとらわれることなく、開幕が間近に迫った北京五輪に集中している。

北京五輪では連覇の懸かるマススタート、団体追い抜きに加え、1500mに出場する。自身3度目の五輪となるが、過去2大会はタイムを争う個人種目では力不足を露呈。’14年ソチ五輪は1500mで32位、平昌五輪は5000mで12位に低迷した。

「今までの五輪で個人種目では納得するレースができていない。自分は速い選手ではない。個人種目で戦いたいのがスピードスケーター」

この思いを胸に突き進んできた。

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涙の銀メダルでも輝いていた高木菜那、高木美帆、佐藤綾乃の世界一美しいと称される隊列“1ライン”

写真:新華社/アフロ

マットに激突する高木菜那(29=日本電産サンキョー)の姿を確認すると、前を滑る高木美帆(27=日体大職)、佐藤綾乃(25=ANA)が頭を抱えた。その瞬間、つかみかけていた連覇の夢が消滅。立ち上がり最後まで滑りきった高木菜那は泣きじゃくり頭を下げた。高木美帆が歩み寄り、優しく抱擁。無言のまま、敗戦の責任を背負う姉に寄り添った。

「掛ける言葉が見つからなくて、そばに行くことしかできなかった。起きてしまったことはどうすることもできない。責任を背負う必要はないが、本人はそうはいかないと思う。複雑な気持ちで寄ることしかできなかった」

北京五輪スピードスケートの女子団体追い抜き決勝が12日、国家スピードスケート館で行われた。2018年平昌五輪の覇者・日本はカナダに敗れ、銀メダル。序盤から優位にレースを進めながら、まさかの結末が待っていた。残り200mで0秒32のリード。勝利目前の最終コーナーで最後尾の高木菜那がバランスを崩して転倒した。ゴールまでの距離は約60m。高木菜那は「転ばなければ優勝できたかもしれないタイムだったので悔しい。(転倒の原因は)まだ考えていない。頭がついてきていない」とうつろな目で声を絞り出した。

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【高木菜那】劣等感に長く苦しんできた波乱万丈の競技人生。第二の人生へ

写真:アフロスポーツ

金メダル2つ、銀メダル1つが飾られた壇上には晴れやかな表情の高木菜那(29)がいた。2022年4月5日に都内で行われた引退会見。記録にも記憶にも残るレースを積み重ねてきたスケーターは一線を退く2つの理由を明かした。

「最後の最後に高木美帆の姉ではなく、高木菜那として氷の上に立てた。それが引退を決意した理由の一つです。もう一つは第2の人生を考えた時にすごくワクワクしたこと。スケートと同じぐらいやりがいのあることを見つけたいと心から思えた」

スピードスケート女子で2014年ソチ五輪から3大会連続で五輪に出場。’18年平昌五輪では団体追い抜きとマススタートを制して、日本女子として五輪史上初の2冠を達成した。集大成と位置付けた今年2月の北京五輪では連覇を狙った2種目でともに最終コーナーで転倒。団体追い抜きは銀、マススタートは1回戦敗退に終わった。

波瀾万丈の競技人生は妹・美帆(27=日体大職)の存在なくして語ることはできない。スーパー中学生として注目を浴び、15歳で’10年バンクーバー五輪に出場した妹と比較され続けた現役生活だった。五輪通算7個のメダルを獲得している妹に対する劣等感に長く苦しんできたが、集大成と位置付けた北京五輪シーズンは「(妹の存在を)1番気にしているのは自分」と受け入れて、乗り越えた。

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TEXT=木本新也

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