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2021.06.17

1年延期がレギュラー争いに大きく影響したバスケ女子代表の現在地

本連載「コロナ禍のアスリート」では、まだまだ先行きが見えないなかで、東京五輪メダルを目指すアスリートの思考や、大会開催に向けての舞台裏を追う。

ポルトガル戦で相手陣内に攻め込むオコエ桃仁花

レギュラー争いがし烈に

開催国枠で東京五輪に出場するバスケットボール女子日本代表のし烈なチーム内競争が佳境を迎えている。世界ランキング10位の日本は今月10、12、13日に同48位のポルトガルと横浜武道館で強化試合を3戦行った。

東京五輪代表候補に名を連ねる16人が試合に臨み、69-47、68-43、67-58で3連勝。今月下旬に発表予定の東京五輪の最終メンバー12人への生き残りを懸けた熱い戦いが繰り広げられた。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、日本にとって約1年4ヵ月ぶりの国際試合。2017年から指揮を執るトム・ホーバス監督(54=米国)は「ポルトガルのフィジカルは日本ではあまり経験できない。よい経験ができた」と収穫を強調した。

第1戦の序盤は動きの硬さが目立った。第1クオーター(Q)を終えて12点のリードを許すなど五輪出場権のない格下に苦戦。徐々に追い上げて40-40で第4Qに突入すると、三好南穂(27=トヨタ自動車)が4本の3点シュートを沈めて白星を手にした。

2大会連続の五輪出場を目指す三好は’16年リオデジャネイロ五輪では吉田、町田に続く3番手のポイントガード。グループリーグで強豪フランスを相手にステップバックから鮮やかな3点シュートを決めて5大会ぶりの8強入りに貢献した。

リオ五輪での経験を飛躍につなげたかったが、’18年W杯は開催国スペインまで帯同しながら最終メンバーから落選。東京五輪で新たに採用される3人制バスケットボールにも挑戦するなど試行錯誤を続けてきた。

第2戦ではオコエ桃仁花(22=富士通)が躍動した。3点シュート5本中4本を成功。チーム最多タイの12得点と4リバウンドを記録した。身長1m82のセンターは、プロ野球・楽天のオコエ瑠偉(23)の妹。兄に「野球が国民的スポーツだから自分の方が名前は売れているが、バスケが同じぐらい人気があれば、妹の方が早く世に出たと思う」と言わしめる逸材だ。五輪代表入りを猛アピールし「自分の仕事は3点シュートと守備。それを表現できてよかった」と手応えを口にした。

第3戦はチーム最年長の高田真希主将(31=デンソー)が奮闘した。身長1m90台の選手2人を要するポルトガルに対して、鋭いドライブや3点シュートなど多彩な攻撃を見せ、チーム最多の16得点を記録。大黒柱が存在感を示し、最終戦を締めくくった。

3試合は東京五輪へのトライアウトの位置付け。センターの高田、フォワードの長岡萌映子(27=トヨタ自動車)、赤穂ひまわり(22=デンソー)は全試合に先発したが、ガード陣のスターターは日替わり。ポイントガードは第1戦が宮崎早織(25=ENEOS)、第2戦が安間志織(26 =トヨタ自動車)、第3戦が町田瑠唯(28=富士通)、シューティングガードは第1戦が林咲希(26=ENEOS)、第2、3戦では三好が務めた。

第1戦で、昨年11月に右膝前十字靱帯を損傷した本橋菜子(27=東京羽田)が復帰するなど実り多い強化試合となった。3試合を通したMVPは3点シュート17本中9本を成功した三好が獲得。五輪代表入りに前進し「私の仕事は3点シュートを打ち続けること。徹底することができた」と誇った。

インサイドの要・渡嘉敷が離脱

五輪の1年延期により、チームは大きな打撃を受けた。’16年リオ五輪で主将を務めた吉田亜沙美(33)が今年1月に現役を引退。’19年3月に一度は引退を表明したものの、同年9月に東京五輪を目指して現役復帰したが、コロナ禍でモチベーションが保てず再びユニホームを脱いだ。昨年12月には身長1m93のエース渡嘉敷来夢(30=ENEOS)が右膝前十字靱帯を断裂。2枚看板を欠いて、自国開催の五輪に向かっている。

特にインサイドの要だった渡嘉敷不在の影響は計り知れない。ホーバス監督は「穴は大きい。どうカバーするか今探している」と説明。高田主将は「チーム全員で補いたい。五輪に出たくても出られない人はたくさんいる。そういう人達の分まで今いるメンバーが責任を持たないといけない」と視線を上げた。目標は金メダル。今回のメンバーから4人がふるい落とされるが、五輪に出場できない選手の思いも背負いコートに立つことになる。

TEXT=木本新也

PHOTOGRAPH=日刊スポーツ/アフロ

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