ネクシィーズグループ代表取締役社長 兼 グループ代表 近藤太香巳氏の佐島の高台に佇む邸宅は9月に完成したばかり。社員と語り合い、楽しめるようにこだわり尽くした空間は、まさに絶景が広がる自然のエンターテインメントーー。
自然のエンタテインメントによる感動体験を味わえる場所
三浦半島・佐島の海を背に、坂道を上る。目印は邸宅の壁に描かれた上昇する3本の矢。近藤太香巳氏率いるネクシィーズグループのロゴマークだ。
9月に完成したこの建物のコンセプトは“仲間たちと語り合える場所”。近藤氏は居心地にとことんこだわった施設だ。
「社員とともに熱く語り合い、楽しめる空間にしたかったんです。そして、近くに経営者仲間の別荘も多いので、実業家同士で交流できるのもいいです。今はなかなか集まれませんが」
ハワイのコンドミニアムをはじめこれまで作ってきた福利厚生施設とは異なり、ここは初めての一軒家。ゆえにコンドミニアムではかなえられない“エンタテインメント”を充実させた。
「とはいえ、派手な仕掛けではなく、あくまでも落ち着いた空間であること。重要なのは訪れた社員や仲間が、ここでいかに心地よく過ごせるかなんです」
その言葉の意味は、エントランスから感じることができる。重厚な扉を開けると、光煌めく水盤と緑を湛えた前庭が。アートを配した広いロビーから、最上階のリビングへは360°ガラスの特別な透明エレベーターで。上昇すると、目に飛びこんでくる景色に期待感も高まる。
そしてリビングに足を踏み入れた瞬間に広がる、佐島を一望する絶景こそが、まさに自然のエンタテインメントだ。
屋内にはシアタールームや、海を眺めながら数人で入れる大きなバスルームも完備。さらに各所に飾られているアートコレクションにも人を楽しませる仕掛けがある。作品の横にあるQRコードを読み取ると、作品の制作風景などアーティストの情報を見られ、訪れる人を飽きさせない工夫が施されている。
そんなエンタテインメントの最たる場所が屋上だ。バーベキューグリルもあるウッドデッキの奥には、シアターつきの温水プールを設置。MVや映画を見ながら過ごせる。なかでも近藤氏一番のお気に入りは、円形のソファ。
「みんなで円卓を囲んで食事などをともにしながら心が近づく場所にしたいと思ったんです」
そして何物にも代え難いのが、その眺めだ。
「座ると視線が下がり、見えるのは海だけになるんです。ここからの夕陽は本当に最高です」
この建物をデザインしたT&Cジャパンの秋葉達雄氏は、施主とのイメージ共有のために、設計段階から実際のソファや照明、眺望にいたるまで完璧に描きこんだCGを作成する。そのため、完成イメージは十分にわかっていた近藤氏だが「初めてここに座った時にCGを超える、息を飲むような眺望が広がっていました」と、想像以上の感動を体験したという。
以前ハワイのコンドミニアムの際には「遊びたくなると思ったが、心地よい空間にいると実は仕事がはかどる」と言っていた近藤氏。
「今のほうが、その思いは強いですね。このコロナ禍で、どこでも仕事が可能になった。ならば、快適な場所にいたほうが頭の回転も発想力も高まります」
未曽有の状況に世間ではマイナス要因ばかり取り上げられるなか、ネクシィーズグループは社員給与を100%保証。営業部隊を少人数ユニットにし、全国の拠点を20以上増やすなど、攻めの姿勢を止めていない。
「コロナ禍だからできない、ではダメなんです。例えばリモート主体だからこそ、現在のオフィススペースでも人材を増やすことができるし、新規店舗も今までにない、理想的な候補地が出てくる。ピンチをどうチャンスに変えるかだと思います」
この地はそんな発想の場にもなるはずだと、皆で集う時を楽しみにする。
ネクシィーズグループの全国の拠点をまわれば、毎回社員と5〜6時間は語り合うという近藤氏。現在は社員とのオンラインディスカッションを常時開催。事前に全員に同じおつまみを送るなど一体感を高め、その盛り上がりに時間を忘れることも。
「どんな形でも、コミュニケーションがやっぱり大事。この場所で仲間と語り、感動体験を与えたい。今まで見えなかった景色を体験すれば、またがんばろう、また来たいというモチベーションになると思います」
社員や仕事仲間と、心の底から楽しみながら熱く未来を語り、次のステップへと続く情熱を育む。それが近藤氏にとっての大切な場なのだ。
所在地:横須賀市佐島
敷地面積:431.03m
延べ床面積:414.15m
構造:RC鉄筋コンクリート造
Takami Kondo
1967年大阪府生まれ。’87年創業。2004年に当時最年少創業社長として東証一部に上場。ネクシィーズ・ゼロ、セルフエステBODY ARCHIなど、多数事業を展開する。また、電子雑誌出版事業を手がけるブランジスタは’15年に東証マザーズへ上場。