MAGAZINE &
SALON MEMBERMAGAZINE &
SALON MEMBER
仕事が楽しければ
人生も愉しい

LATEST ISSUE
2024年9月号
人生の楽しみ上手が集う島 沖縄に住む
STORE

PERSON

2020.06.18

大谷翔平は自身のピークの年齢をいつと捉えているのか?【実践的行動学⑲】

幾多の試練を乗り越えながら、着実にスーパースターへの階段を上り続けるメジャーリーガー・大谷翔平。現在は、新型コロナウイルスの影響でシーズンの開幕が不透明となっているなか、アメリカで準備を整えている。今だからこそビジネスパーソンが見習うべき、大谷の実践的行動学とは? 日本ハム時代から"大谷番"として現場で取材するスポーツニッポン柳原直之記者が解き明かす。

肉体と技術がかみ合う年齢

2020年7月5日。大谷翔平が26歳の誕生日を迎える。筆者が初めて取材した時はプロ1年目オフの19歳だった。月並みな感想で恐縮だが、時が経つのは本当に早い。あの大谷がプロ野球選手としてもう"バリバリの若手"とは呼べない年齢にさしかかっている。

プロ野球選手のピークはいつか。大谷に自身の考えを語ってもらったことがある。'15年1月1日付のスポニチで野球評論家の石井一久氏(現楽天GM)との対談が実現した時のことだ。石井氏に「僕がメジャーに行ったのは28歳だけど、自分の中ではタイミングが一つ遅かった。大谷君は自分のピークはどう考える?」と質問。大谷は「肉体的にはやっぱり26歳とか27歳なのかなと。でも、技術とかみ合うという意味では27歳から30歳くらいかと感じています」と答えている。

23歳でメジャー移籍し、1年目の'18年から投打二刀流で大リーグを席巻。右肘手術の影響で打者に専念した翌'19年は日本選手初のサイクル安打を達成するなど、目まぐるしい活躍に毎年、心が踊らされた。先輩記者に「大谷は凄すぎてもはや何が凄いのか分からなくなったな」と言われたことがあるが、まさにその通りだ。しかも、恐らく本人は満足していない。まだ大谷が語る"肉体的ピーク"を迎えていないことに改めて驚かされる。

さらに、この対談の続き。石井氏が「僕も(体力が)落ちたかなと思ったのは28歳の時くらい。27、28歳くらいの時はどういう選手になっていたい?」と質問すると、大谷は「やっぱり肉体的にはピークを迎えた頃だと思うので、そこに技術を間に合わせたいです。なかなか難しいと思うんですけど」と回答している。

コロナ禍の影響で開幕が遅れている大リーグは、大リーグ機構(MLB)と選手会の協議がまとまらず、16日(日本時間17日)時点でMLBのロブ・マンフレッド・コミッショナーはシーズン中止の可能性も示唆。全オーナーの75%以上に当たる23球団の賛成を得られれば、コミッショナー権限で50試合前後で強行開催できるが、選手会から異議申し立てされる可能性が高いなど、交渉は泥沼化の様相を呈している。

ここでは無事に開幕することを前提に、話したい。肉体的ピークを迎える大谷にとってシーズンの大半が失われるかもしれないが、悪いことばかりではない。一昨年に右肘手術を受け、本来、5月中旬復帰予定だった「投手・大谷」は開幕から万全に近い状態で投げられる。当初は年間の球数制限もあったが、ほぼ気にせず投げることができるだろう。かなりの短縮シーズンになるため、疲労軽減を目的とした「登板の前日、翌日は欠場」などこれまでの二刀流のルーティンを取っ払ってもいいかもしれない。

開幕が実現すれば大谷は一体、どんなインパクトを残すだろうか。知将で知られるジョー・マドン新監督の采配も気になる。そして、大谷の肉体的ピークの凄まじさに注目したいと思っている。

TEXT=柳原直之

PICK UP

STORY 連載

MAGAZINE 最新号

2024年9月号

人生の楽しみ上手が集う島 沖縄に住む

最新号を見る

定期購読はこちら

バックナンバー一覧

MAGAZINE 最新号

2024年9月号

人生の楽しみ上手が集う島 沖縄に住む

仕事に遊びに一切妥協できない男たちが、人生を謳歌するためのライフスタイル誌『ゲーテ9月号』が7月25日に発売となる。今回の特集は“沖縄”。“住むための沖縄”を堪能している人のライフスタイルに迫る。表紙を飾るのはバスケットボール男子日本代表・AKATSUKI JAPANの富樫勇樹選手と、河村勇輝選手。パリ五輪を直近に控えたふたりが意気込みを語った。

最新号を購入する

電子版も発売中!

バックナンバー一覧

SALON MEMBER ゲーテサロン

会員登録をすると、エクスクルーシブなイベントの数々や、スペシャルなプレゼント情報へアクセスが可能に。会員の皆様に、非日常な体験ができる機会をご提供します。

SALON MEMBERになる