1972年の設立以来、一貫して日本(福井県・鯖江)製の高品質なアイウエアを生み出し続ける「EYEVAN」。その眼鏡をかけた熱き男たちを写真家・操上和美が撮り下ろす連載「男を起動させる眼鏡#7」。
PERSON 07
作曲家 千住 明
作曲家は常に細密な五線紙と対峙することが多く、それゆえ老眼の訪れも早いと語る千住氏。指揮棒を振る際などは中近用眼鏡も使用するが、作曲作業に欠かせない老眼鏡は、特に手放せないアイテムとのこと。
「でありながら、紛失することもこれまで少なくありませんでした。頻繁にかけ外しを繰り返すなかで、どこかに置き忘れてしまうのです。だから、一時期はまとめて複数買うこともありました。でも、そうすると余計に紛失する機会が増えてしまい(笑)。やはりモノには魂が宿るのでしょう。乱暴に書きなぐった曲が雑な音になるように、眼鏡も本当に自分に必要な1本を探すべきと今は考えています」
作曲家として長くキャリアを積んできた千住氏。これまで多彩なジャンルの曲を手がけてきたが、業界内で“オーケストラの人”と見做されることが多かった。だが近年、国外からミュージカルの作曲を依頼されるなど、転機を感じる出会いが増えているという。
「マイルス・デイヴィスも『優れたミュージシャンは常に同じ場所にいない』という言葉を残しています。僕も同様に色々なチャレンジを続けていきたいと願う一人。『自分の専門分野以外から学ぶことも実に大切。茶道や生け花、それに食などのシーンからも得ることは多い』。これは実兄(日本画家・千住 博氏)からのアドバイスですが、今まさにそれを実践している最中。そのひとつとしてファッションがあり、自分を広くアピールする手段として、あれこれ試行錯誤を続けています」
今回、千住氏が選んだ眼鏡はアイヴァンを訪れ、久々に欲しいと心に響いた1本。
「とても洒落たデザインだと思いました。ファッショナブルな眼鏡は自分に合わない場合が多いのですが、このモデルはかけてみたら意外に悪くなく(笑)。『ああ、もっとチャレンジできるんだな』と考え、合わせるジャケットも今まで着ることのなかったチェック柄からチョイスしてみました。自分の可能性は自分で広げられる。身に着けるアイテムを変えることで、出会いも多いに増えると信じています」
Akira Senju
1960年東京都生まれ。東京藝術大学作曲科卒業、同大学院を首席で修了。大学在学中から音楽家として活動。ポップスから映像音楽、クラシックやオペラまで幅広い分野の音楽を手がけ、国際的に活躍している。東京藝大特任教授。
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