PERSON

2016.02.04

EXILEパフォーマー MATSU × ÜSA × MAKIDAI LDH創設メンバーの3人が語る トランスフォームする生き物 EXILEの未来のカタチ

MATSUとÜSAとMAKIDAIが2015年末で、EXILEのパフォーマーを卒業した。EXILEの創立メンバーでもある彼らがLDHとEXILEの成功の秘密を赤裸々に語ってくれた。

MATSU × ÜSA × MAKIDAI

LDHの前身、エグザイルエンタテイメント有限会社が誕生したのは2002年9月のことだった。資本金の300万円は当時のメンバー6人が、それぞれ50万円ずつ出して作った。
メジャーデビューを果たしたとはいえ、駆け出しのアーティストが自分たちで会社を作るなどというのは、ほとんど前代未聞と言っていい。50万円という金額は、当時の彼らにとってはかなりの大金でもあった。いったいなぜ、どういう理由で、彼らは会社を作ったのか? 2015年末でEXILEのパフォーマー卒業したオリジナルメンバーの3人の思い出話は、そこから始まった。

──まず、なぜ会社を作ったのかを教えてください。

MATSU(以下MAT) 僕らが会社を作ったのは事実だけど、もちろん僕たちだけでできるわけもなく。支えてくださる方がたくさんいたんです。エイベックスの松浦さんとHIROさんは、高校の先輩、後輩の間柄でもあり「やりたいことがあるなら、やってみろよ」と言っていただいたのが一番大きかったんだと思います。それがあの会社のスタートでしたね。

ÜSA選択肢としては、どこかの事務所に所属させていただくのが普通だとは思うけど、HIROさんからその話を聞いた時は1ミリも迷わなかった。自分たちの会社を興(おこ)すのは、リスクを背負うってことでもあったけど、それは何も考えなかったですね。「こっちだ! 自分たちの会社ができる」って、すごいワクワクした。

MAKIDAI(以下MAK) ぼくも、まったく迷わなかった。自分たちのやりたいことをカタチにするために、自分たちで会社を作る。みんなでそう決めたからには、もうやるしかないっていう気持ちだけだった。

MAT お互い若かったということもあるよね。いろんなことを知らなかったから、飛び込めたのかもしれない。

ÜSA 前の事務所の一番最初の仕事がライブで、ギャラがまったく入らなかったことあったよね。

MAT あれは、驚いた。

ÜSA ほんとに、こんな嘘みたいな話が現実にあるんだなって思ったなあ。

MAK そういう時でもHIROさんは慌てないよね。

MAT どうすることもできないもんね。割り切るしかない。HIROさんは「プロモーションにはなった」って言ってた。

ÜSA お客さんには見てもらえたしね。若かったといえば、もし失敗して借金作っても、みんなで働いて返せばいいって思ってたよね。エンタテインメントの世界で生きられなくても、この仲間がいれば、どんな仕事しても上手くいくって。

MAT うん。根拠はないけど大丈夫だって自信はあった。

MAK これだけ協力し合える仲間がいるんだから、何かできるだろうっていう自信みたいなものはずっとある。協力する態勢と意志があれば、なんとかなるんじゃないのっていう。

MATSU

それぞれの夢をかなえるEXILEがこの世にある意味

──皆さんの、その強い絆の秘密はどこにあるんでしょう?

MAT 絆をあまり意識したことはないけど、無意識のうちに強い絆にはなっているかな。

MAK 意識したことはないねえ。なんと言えばいいか、みんな意識するまでもなく普通にやってきただけという感じがしますね。

ÜSA ただ、いつも向いてる方向は一緒だったよね。最初はみんなリベンジっていうか。ボクらはダンサーなんかじゃ絶対に食べていけないって言われ続けてたし、ATSUSHIも某音楽番組の最終オーディションで落ちたとか。

MAK HIROさんもZOOで武道館のステージに立ったのに、ZOOの解散ですべてを失い、もう一回あそこに立つっていう気持ちですごい苦労して。

ÜSAそんなボクらがひとつの方向を見て、必死で頑張ってきたと。その過程で、同じ景色を見て、同じ思いを抱いてきた。だから、そんなにいろいろ話さなくても、お互いのことをわかっている。それが絆といえば絆かもしれない。

MAT 確かに、そうだね。やっぱり、HIROさんの存在が大きいと思う。僕が言うのもおこがましいですが、若いうちに成功と挫折を味わって、いろんなことを経験してるから、歳はそんなに離れてないけど、人生の大先輩としてすごいいろんなことを僕らに教えてくれる。HIROさんの経験があったから、僕らがここまでやってこられたってことは、みんなわかってる。それが、HIROさんと一緒なら何をやってもきっと上手くいくだろうっていう、自信につながっているんです。

MAK もうひとつ、ぼくらは何もないところからスタートしたんですね。ダンサーが音楽業界で勝負するなんて、HIROさんと出会うまで考えたこともなかった。そういうチャンスをもらったわけで、もうやるしかないという気持しかなかった。

MAT EXILEはみんなの夢をかなえる場所。これもHIROさんがよく言っていたことです。

ÜSA HIROさんは、タテマエを言わないよね。いつも本音で話す。EXILEのためにメンバーがいるんじゃなくて、メンバーのためにEXILEはあるんだよって。当たり前のことなんだけど、世の中の人は案外忘れてるかもしれない。会社のために社員がいるんじゃなくて、社員のために会社がある。LDHという会社も同じことだよね。

MAK カタチあるものに永遠はないっていう話もよくしてくれるよね。

ÜSA うん。メンバーそれぞれがやりたいことが、いつまでも同じなんてことはない。みんなも、自分が将来何をしたいかをちゃんと考えておいたほうがいいよって。それがただの言葉じゃなくて、HIROさん自身の経験から出てくる言葉だから、すごく心に刺さるんです。

ÜSA

EXILEはカタチを変えながら、成長し続けてきた

──ソロ会議というのがLDHにはあると聞きました。どういう会議なんですか?

ÜSA メンバーそれぞれのための会議です。自分がこれからやりたい活動をテーマに、実現するためにはどうしたらいいかを話し合っていくというか。

MAT 最初にHIROさんに相談して、こういう方向性でやろうって決まったら、メンバーに相談したり、スタッフさんと話しながら、実現していくっていう感じですかね。

MAK メンバーそれぞれの夢を実現していこうっていう文化というか、姿勢がLDHにはあるんです。ひとりで見る夢はひとりで完結しちゃうけど、みんなで見る夢は大きくなる。あるいは自分の夢でも、みんなに話すことで、実現する力も増えるし、大きく広がっていくんだよっていう考え方がLDHには定着してるんですよね。ウッサンがこういうことしたい、マッチャンがこういうことやってるっていうのはいつも頭のどこかにあるから、例えばぼくが誰かと出会って、「あ、これ何かの役に立つかもしれない」と思ったら、すぐに知らせるとか、そういうことをみんなが当たり前にやってる。

MAT みんなで夢を共有してるから、どんどんいろんなことがつながって、より夢が実現しやすくなるんですよ。LDHってLove Dream Happiness、みんなの愛と夢と幸せをかなえるっていう意味なんですけど、まさにそういう会社になってるんだと思います。

ÜSA 会社だってそのためにある。愛とか夢とか幸せとか、そういうもののためなら人は頑張れる。それが原動力になってるんだと思う。だからボクらの仕事は、極端に言えば、夢をかなえること、みたいな感じになってきている。夢がひとつかなうごとに、LDHは成長してきたわけで。

MAT それぞれの夢をかなえるなんて言うと、チームがバラバラになるんじゃないかって心配かもしれないけど。例えばウッサンがDANCE EARTHプロジェクトで、世界中を旅していろんな土地の踊りを自分のものにして帰ってくる。そのこと自体も、EXILEのダンスの厚みとか深さになる。あとそれだけじゃなくて、プロジェクトそのものが新しいエンタテインメントを生んだりして、EXILEの活動領域を広げてくれる。MAKIDAIやHIROさんたちのユニット、PKCZ(R)(ピーケーシーズ)も劇団EXILE「松組」もそんな役割を果たしていきたいと思っています。

MAKIDAI

ÜSAそれぞれのやりたいことが成功すると、そこに新しい領地ができて、それが広がっていく。自分のやりたいことをやってるわけだから、みんなそれぞれ一所懸命だし。

MAT そういう風にしてEXILEはカタチを変化させながら成長していく。もちろんダンス&ボーカルグループとしてのEXILEは、その中心で耀(かがや)き続けるっていうのが前提なんですけど。

MAK ウッサンは、会社も作ったよね。DANCE EARTHからのスピンアウトで。

ÜSA うん。社員はまだボクとマネージャーのふたりだけど。

MAK そうやってぼくらは大きくなってきた。大きくなったというのは、単純に社員が増えたとかじゃなくて、かなえられる夢の規模が大きくなってきたってことなんですけど。

MAT 僕らが今年でEXILEのパフォーマー卒業を決めたのはそういったこともありますし、それぞれの分野で活動を広げていくことで、EXILEの夢をさらに大きく膨らませていけたらという想いがあります。

ÜSA 会社にしたのは、そういう意味でもよかったね。来年(2016年)からやるべきことは、すでにそれぞれ決まってるわけだし。

MAK 来年のことを考えるとワクワクしてくるよね。

ÜSA ワクワクドキドキ(笑)。

MAK でも、自分の好きなことを仕事にできるって、ほんとに幸せだよね。

ÜSA その幸せのおかげで、会社も成長していくと。

MAT 考えてみたらすごいことだよね。

MAK それを証明するためにもぼくらが頑張んなきゃね。

「新たな門出に乾杯!」。2016年1月に3人の共著が幻冬舎から発売。

「新たな門出に乾杯!」。2016年1月に3人の共著が幻冬舎から発売。

TOSHIO MATSUMOTO

松本利夫
1975年神奈川県生まれ。劇団EXILEの第一回公演から4年連続で出演。2016年には劇団EXILE「松組」を立ち上げ、プロデューサー、俳優として新境地を切り開く。

ÜSA
EXILE ÜSA
1977年神奈川県生まれ。「ダンスは世界共通言語」をテーマにDANCE EARTHの活動を続け、書籍や絵本、DVD、舞台等で自身の表現を発表。音楽ユニット「DANCE EARTH PARTY」を率いる。

MAKIDAI
EXILE MAKIDAI
1975年神奈川県生まれ。役者、DJ、パーソナリティを務める。音楽、ファッション、パーティーなどのプロデュースを行う、新ユニット「PKCZ(R)」は2016年に世界ツアーを控える。

*本記事の内容は15年12月1日取材のものに基づきます。価格、商品の有無などは時期により異なりますので予めご了承下さい。14年4月以降の記事では原則、税抜き価格を掲載しています。(14年3月以前は原則、税込み価格)

TEXT=石川拓治

PHOTOGRAPH=Kei Ogata

STYLING=橋本 敦

HAIR&MAKE-UP=千絵(H.M.C.)、水野明美(H.M.C.) 

COOPERATION=衣装協力:ユナイテッドアローズ 原宿本店 メンズ館

PICK UP

STORY 連載

MAGAZINE 最新号

2025年1月号

シャンパーニュの魔力

最新号を見る

定期購読はこちら

バックナンバー一覧

MAGAZINE 最新号

2025年1月号

シャンパーニュの魔力

仕事に遊びに一切妥協できない男たちが、人生を謳歌するためのライフスタイル誌『ゲーテ1月号』が2024年11月25日に発売となる。今回の特集は“シャンパーニュの魔力”。日本とシャンパーニュの親和性の高さの理由に迫る。表紙は三代目 J SOUL BROTHERS。メンバー同士がお互いを撮り下ろした、貴重なビジュアルカットは必見だ。

最新号を購入する

電子版も発売中!

バックナンバー一覧

SALON MEMBER ゲーテサロン

会員登録をすると、エクスクルーシブなイベントの数々や、スペシャルなプレゼント情報へアクセスが可能に。会員の皆様に、非日常な体験ができる機会をご提供します。

SALON MEMBERになる