時代とともに、さらなる進化を遂げている、軽井沢のホテル。これからオープンする未来のホテルから、別荘として所有するホテル、そして愛され続ける名宿を一挙にご紹介する。今回は、「星のや軽井沢」を紹介する。【特集 偏愛リゾート軽井沢&熱海】

伝統を受け継いで未来を守る場所
水面に浮かぶ行燈(あんどん)と、水辺に点在する客室の灯りがともる頃、軽井沢は幻想的な表情を見せる。白糸の滝を源流に持つ湯川を引きこみ、その水辺に77の離れの客室を持つ「星のや軽井沢」。開業から21年が経ち、小さかった植栽の苗木は太く立派な幹を構え、水辺の岩には苔が青々と茂る。
「隣の森から風で運ばれてきた種が芽を出し成長しても、この庭の形を変えない限りは、そのままにしておくんです」
開業時から勤める庭師はそう語る。丁寧に管理しながらも、自然をそのまま受け入れるのだという。21年分の自然と人の営みが、この谷の風景に豊かな奥行きを与えている。
「谷の集落に滞在する」を掲げる「星のや軽井沢」では、施設内で消費する電力の約70%(2017時点で68%)を自ら生みだしている。敷地に引きこまれた湯川の水は、2ヵ所の水力発電所を通り、滞在を支える電力に。毎分383ℓ湧き出る温泉の排熱は暖房などに、さらに温泉を生みだす地中熱もエネルギーとして利用されている。
1914年にこの地に「星野温泉旅館」が開業、以来4代にわたり受け継がれ、ここから「星野リゾート」が世界へと展開していった。そしてこの112年前の開業時からすでに水力発電は行われていたという。軽井沢の自然と、その恵みとしてのエネルギーを見つめ続けてきた歴史が、ここには確かにある。
客室の窓辺で寛げば、ゆらゆらと目の前に水面が揺れ、水音が聞こえる。それは、ゲストの心をほぐしながら、軽井沢という地の未来をつくり続ける景色なのだ。
星のや軽井沢/HOSHINOYA Karuizawa
住所:長野県軽井沢町星野
TEL:050-3134-8091
施設:レストラン、ラウンジ2、温泉、スパ、キッズルーム
この記事はGOETHE 2026年7月号「総力特集:偏愛リゾート最前線!」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら









