セレブリティがこぞって旅のコーディネイトを依頼するのが、富裕層向けコンシェルジュサービス、アルカディアの才津香果(さいつかぐみ。以下かぐみ)さん。これまで自身の旅にかけてきた自腹総額は9億円超え。非日常を求め世界を回り続ける彼女が紹介する、脳がバグる驚きの旅とは。連載第10回は、とんでもないセレブリゾートホテル「チーター プレインズ」に泊まって、野生の勘を蘇らせるサファリツアーへ。

冒険の最中でも優雅な時間が流れる
サファリ。それはスワヒリ語で「小旅行」を意味し、「アフリカで野生動物を見に行く旅」という意味でも使われている。アフリカの原野で寝泊まりしながら、動物たちを探し歩くのは恐ろしく過酷だろう。
「ですが、そんな場所にいながら快適にラグジュアリーに過ごせる空間があるのです。それが南アフリカ・サビサンド私営自然保護区にある『チーター プレインズ』というリゾートです」
生物保護区に指定されているクルーガー国立公園に隣接したこのホテル、3つの巨大ヴィラがあり、1ゲストで1ヴィラを利用する。それぞれのヴィラには4つのスイートルームが完備され、最大8名での宿泊が可能。モダンな建物の中にはアートやシャンデリアまである一方、窓の外には広大なアフリカの原野が広がる。すぐ近くまで野生のクロコダイルやカバがやってくることもあるのだという。
「このホテルは、自然環境に徹底的に配慮し、電気は太陽光発電のみを使っています。設備に多額の投資がされているのです。あくまでも動物や自然が最優先であり、大自然の真ん中にあるからこそ、サステナビリティが徹底されています。そういったリゾートの信念もセレブリティたちに支持されているのです」
野生動物たちに出合う原野への旅
そして、サファリ旅の1番の目的であるゲームドライブへ。ゲームドライブとは四駆に乗って野生動物を探すこと。ゲストは「ビッグ5」と言われるライオン、ヒョウ、ゾウ、サイ、バッファローの大型野生動物を見るためチーター プレインズのEV四駆に乗りこみ大自然へ。
「アフリカのゲームドライブは舗装されている道しかアクセスできない場合が多いのですが、このホテルでは私有地へのアクセス権を持っています。ですから観光客や四駆も少ない動物の出現率が多い場所へ行くことができます。熟練スタッフが動物の足跡を辿り、無線を駆使して動物たちを探してくれるのです」
大自然を堪能するだけではなく、ホテル内ではスパや美容室、何百本とストックされている南アフリカワインも食事もオールインクルーシブ。1ゲストに対して10名以上のスタッフがつくこともあるというから、快適に過ごせることは保証済みだ。
「本来人間が生きることのできない野生動物の世界で過ごす贅沢。旅慣れた人こそそんな場所を旅してみたい、日常とは異なる世界観の中で過ごしていたいと思うのです」
人間の旅への好奇心は尽きることなく、こうしてついに人間界の外へも出ていくのだ。

才津香果/Kagumi Saitsu
1982年生まれ。アルカディア代表取締役。国内外の富裕層に向けた、会員制のコンシェルジュサービス会社を運営。ギフトのセレクトから、ラグジュアリーな旅の手配までオーダーメイドで富裕層の要望をかなえる。 Instagram:@kagumi.trip