サウナ歴20年以上、サウナイベント開催や著書も出版している本田直之さんが、2023年1月にノルウェー、アイスランド、スウェーデン、フィンランド、エストニアのサウナをめぐる旅に出た。巡ったのはなんと19施設、81ヵ所のサウナ。その進化を体験リポートする。第5回はアイスランドにある世界最大の露天風呂&オーロラの見えるホテルをご紹介! #1 #2 #3 #4
美肌効果も抜群! 「Blue Lagoon」
ノルウェーからアイスランドへ移動した本田さん一行。レイキャビックの空港からクルマで50分ほど、”世界最大の露天風呂”といわれる「Blue Lagoon(ブルーラグーン)」に向かった。
「ずっと憧れていた地、アイスランドに初めて降り立ちました。道中、クルマから見える景色はあたり一面、雪景色。アイスランドは火山が多い土地ですからなんとなく印象がハワイ島に似ているなと感じました。雪のあるハワイ島という、なんとも不思議な場所です」
こうしてたどり着いたのが、広さ5,000平方メートル、世界最大の露天風呂ブルーラグーン。アイスランドはヨーロッパだけではなく、実はアメリカからもアクセスがいいので、多くの観光客がこの湯に浸かるためやってくるそう。
このブルーラグーンは、いわゆる地底から湧き出す天然温泉ではない。1970年代に建てられた地熱発電所が、発電の際に出る海水と淡水の混ざった温水を溶岩地帯に排出するのだが、その際にできた人工の湖だという。
溶岩地帯は水捌けがよく、排水された湯は地下に流れていくと考えられていた。しかしシリカと呼ばれるミネラル成分によって溶岩石が網の目に詰まり、やがて巨大な湖が誕生。これが現在のブルーラグーンとなったのだ。
湯は白っぽく、底にはドロドロとシリカが堆積しているため当初は嫌厭されていたが、実はこのシリカこそが血管の働きをよくし、髪や肌にも効果的なミネラルを含む最強の美容成分。これに気づいた人々が、周辺にホテルを建て、レストランをつくり、観光地化されたという歴史を持つ。
「到着したのは16時頃。冬のアイスランドの日の入りは早いですから、急いで身体を洗ってブルーラグーンに飛び込みました。温度はだいたい38度くらいの適温。けれど外気がマイナス12度ですから、一度入ったらもう出られません(笑)。
アイスランドは日本と違って、日が沈みはじめてから沈み切るまでは少し長いので、ラグーンの中のバーでお酒を飲んだり、シリカでパックをしたりして日が沈むまでゆっくり過ごしました。もちろんサウナもあり、何度か入りましたが、やはりここでは、この露天風呂をメインに楽しむのがよさそうですね」
住所:Norðurljósavegur 9 240 Grindavík
営業時間:(1〜5月)8:00〜21:00、(6〜8月20日)7:00〜24:00、(8月21日〜12月31日)8:00〜22:00、(12月24日)8:00〜16:00、(12月31日)8:00〜18:00
料金:ISK8990〜
※ISK1=約¥1
ホテルからオーロラが見える幸運 「シリカホテル & リトリートホテル」
「宿泊は、このブルーラグーンから約500mの場所にあるシリカホテルへ。宿泊客しか入れないラグーンもあり、落ち着いて入浴したい人にはいいかもしれません」
さらにシリカホテルのすぐ近くにもうひとつ、アイスランドで最もラグジュアリーといわれる「リトリートホテル」がある。ここに泊まれば、宿泊者限定のリトリートスパラグーンを楽しむことができる。さらに、ブルーラグーン内のサウナとスパの入場料も無料というからうれしい。
「日本円でだいたいプラス7万円くらいで、リトリートホテルの宿泊者限定のスパラグーンに入れます。こちらは、ブルーラグーンに比べて客層も落ち着いており、断然空いているので、ゆったり楽しむことができます。
ラグーンを眺めながらの静かなサウナの時間、さらに塩とシリカ、オイルを使ったトリートメントもしっかりしてくれるので、ゲーテ読者の方にもすごくおすすめです。まずは有名なブルーラグーンを見たら、あとはじっくりサウナやトリートメントをこちらのリトリートホテルで楽しむのがいいかもしれませんね」
次回はヘビーサウナーも昇天させるアイスランド最大のサウナへ!
住所:Norðurljósavegur 7, 240 Grindavík
料金:ISK57,400〜
■Retreat Hotel
住所:Norðurljósavegur 11 240 Grindavík
料金:ISK69,000
■動画で楽しむ世界のサウナ探訪(アイスランド編)