英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者のお話、第346回。

“Black tea”か“Plain tea”。「何も入れない」紅茶の頼み方
アメリカ在住のチェコ人と、オンラインのプラットフォームでここ1年ほど「読書会」をしています。チェコ人ですが英語がペラペラで、アメリカの大学に行き、趣味ではじめた日本語もペラペラ、漢字の読み取り能力も凄まじく、そこらへんの日本人より読めるレベルです。まさに語学の天才というのはいるのだと、英語力0の私は感心してばかりです。
最近はずっと東野圭吾の小説を一緒に読むということをしています。もちろん日本語です。そのチェコの方はたいていの漢字は読めますし、日本文化にも造詣が深いため書いてあることもだいたいわかっています。けれど、そんな天才にの目にも、カタカナ英語は奇妙にうつるようで、先日こう聞かれて驚きました。
「ストレートティーってどういうことですか?」
小説の後半、意外な人物が犯人であったことがわかった緊迫したシーンで、犯人が落ち着くため「紅茶をストレート」で飲む、というような描写がありました。
自分が犯人だと名指しされているなかですので、紅茶にいちいちミルクとかレモンとか入れる余裕がないでしょうし、紅茶の本来の香りを一番感じられるのは「ストレート」なので、緊張している時は妥当なセレクトだと思います。なのになんで「ストレートティー」に疑問を呈するのでしょうか。
英語で紅茶の「ストレート」とは言わないんだそうです。
そのチェコ人は「ストレートといったらウイスキーとか思い浮かべちゃうんですけど、紅茶のストレートって変じゃないですか?」とずっと首をかしげていました。
ミルクも砂糖もレモンも入れない紅茶のことは、こういうふうに言うんだそうです。
Black tea(ブラックティー)
または
Plain tea(プレーンティー)
私は紅茶には圧倒的にミルクを入れたい派なので、海外に行った際は“Tea with milk”としか注文したことがなく、ストレートティーのオーダーの仕方を考えたこともありませんでした。
本来Black teaとは、ダージリンティーやアッサムティーなど茶葉を完全に発酵させた「紅茶」の英語呼称なのですが、口語ではだいたい「ブラックティープリーズ」といえば、ストレートティーが出て来るんだそうです。一方で「プレーンティー」はそこまで一般的な言い方ではないそう。しかし、ある程度使う人もいるらしく、覚えておいてもいいかもしれません。あるいはまどろっこしい気もしますが、"a cup of tea, no milk, no sugar."と言う人も多いそうです。
カフェで紅茶を頼む際に使う日常的な言葉なので、おそらく多くの日本人が「ストレートティー」は和製英語であることを知っているんだと思います。ここまで知らずに来て恥ずかしい限りです。
ちなみに私は、牛乳は紅茶に入れる以外はほとんど使い道がないので、いつも賞味期限内に牛乳パック1本を消費しきれません。先週はほぼ紅茶を飲まなかったため、冷蔵庫の中の牛乳の賞味期限が5日ほど切れていました。今、冷蔵庫を開けて今日はblack teaにすべきか、悩んでいるところです。

