ゲーテ読者に薦めたいとっておきの1冊をピックアップ! 今回はジェイク・ナップ、ジョン・ゼラスキーの『とっぱらう 自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」』をご紹介。

ジェイク・ナップ、ジョン・ゼラスキー 著/櫻井祐子 訳/ダイヤモンド社 ¥1,650
ムダを捨て、自分らしい日常と習慣をつくるガイドブック
警察の闇を知った元刑事が古巣に立ち向かうストーリーは面白い。では、人間から時間を奪うテクノロジーの功罪に気づいた元Googleと元YouTube社員が、自身が開発したアプリを削除しスマホを手放す。そして本来の自分時間を取り戻していくストーリーはどうだろう? これも面白そうだし何やら役立ちそうな話ではないか。本書はそんなふたりの人物が書き下ろした、文明の利器や急き立ててくる業務を見つめ直し、自分らしい日常と習慣をつくるガイドブックである。
「ホーム画面を空っぽにする」「メールは一日の終わりにする」「正直にドタキャンする」などの87のメソッドは非常にわかりやすく、誰もが真似できるものばかりだ。さらに、著者が「ここには私がやっていないものも含まれている」と言い切るあたりも清々しい。つまり、この本にはトライ&エラーを繰り返しながら自分に合った習慣づくりにたどりついてほしいというメッセージが詰めこまれているのである。
実は私もSNSを絶って2年になる「とっぱらった男」なのだが、本書を読んでまだまだ自分の時間を取り戻し、快活に生きていける余白があることを知ることができた。
桝本壮志/Soushi Masumoto
1975年広島県生まれ。放送作家として数々の人気番組を担当。NSC(タレント養成所・吉本総合芸能学院)の講師も務めており、令和ロマンをはじめ、多くの教え子をM-1に輩出している。