35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者のお話、第215回。連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは
久しぶりの英語レッスンで言われた、out of this worldとは
久しぶりに英語のレッスンをオンラインで受けました。初めて教えてもらう先生で、かなり日本が好きな人でした。先日も日本を旅行して、宮城県の高級寿司店で食事をしたそうです。
感想を聞いてみると。突然声をひそめて、こう呟きました。
The food at that restaurant is out of this world.
「そのレストランの食べ物はこの世の外」となってしまいます。「この世のものとは思えないほど」という意味な気がしますが、結局美味しかったのか、まずかったのかわかりません。しかも小さい声で言うので、もしかしたらまずかったのでしょうか。生魚がダメな外国の方はたくさんいますし、もしかしたら好き嫌いの分かれる宮城名物ホヤなんかを食べてしまったのかもしれません(私は大好きです)。
out of this world=この世のものとは思えないくらい良い
ということでした。なので、お寿司は美味しかったみたいです。good とかgreatという単語ではいい表せないくらいextremely good(極めていい)ということで、最上級の褒め言葉だそうです。
あんまりにも美味しかったから「美味しかった!」と叫ぶことが安っぽく思えて、あえて小声でつぶやいたということでした。なんだかややこしいですが、まぁ美味しかったならよかったです。
たくさんあるout of〜のフレーズ
out of this worldでレッスン中ずっとひっかかってしまった私を見て、先生は「そういえばout of〜でいっぱい、あんたが知らなそうなフレーズあるよ」といくつか教えてくれました。
こんなのがありました。
out of woods=困難を抜けた
使い方はこうです。
The project has been given funding for another year, but it's not out of the woods yet.(このプロジェクトは1年以上資金提供を受けているが、まだ危機を脱していない)
out of woodsなので直訳すると「森の外」です。富士の樹海のようなうっそうとした森をなんとか抜けて、困難から脱出した、そんなイメージでしょうか。ちなみに私の大好きなテイラー・スウィフト様に「out of woods」という曲がありましたが、私はずっと、「森の外」という曲かと思っていました。
意味がわかって改めてPVを見てみたら、森の中で狼と戦ったり、海の中を泳いだり、吹雪の中にいたり、テイラー・スイフト様があらゆる困難に立ち向かう様子が描かれていました。やっぱりなんとなくではなく、ちゃんと歌詞の意味をわかって聞かないとダメだなと思いました。
ほかにはこういうものもありました。
be out of your league=高嶺の花
使い方はこうです。
He was so good-looking and so popular that I felt he was out of my league.(彼はイケメンですごくモテるから、私には高嶺の花だわ)
“league“つまり「Jリーグ」とか「Vリーグ」のリーグですから、この場合は「彼」はJ1で「私」がJ3レベル、別次元、別リーグでお相手いだたくこともできない、みたいな感じでしょうか。
しかし、一方でout of someone’s leagueにはこういう使い方もあるみたいです。
She has been working very hard on the project, but I think she's a little out of her league.(彼女は一生懸命このプロジェクトで働いている。けれど私が思うに彼女はちょっと能力が足りない)
この場合のout of someone’s leagueは、最初の文章と違って、「他の人と比べてスキルが足りない」という意味になります。彼女はそもそもJ3の選手なのに、いきなりプレミアリーグに行かされてしまった、みたいなことでしょうか。
どちらにせよ、自分のレベルにあってない、という意味合いで使われるのがout of someone’s leagueみたいです。
いろいろout ofを使ったことわざを教えてもらいましたが、最後に英語の教師が私に言いました。
「あなたの英語レベルで、ことわざを使うと相手が混乱するから、まだ難しいこと言わない方がいいわ」
ことわざそのものが、out of my leagueでした。まぁ日本語を覚えたての外国人が、突然「シラヌガホトケ(知らぬが仏)」と言ったらこちらも混乱しますから、それはよくわかります。でも、相手が使うこともあるから、覚えておいて損はないと思いました。
連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは……
35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者による英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」。「その英語力でよく来たね(笑)」と笑われて2年後、英語力未だ0.5であえなく帰国。だけど日本にいたって、きっともっと英語は覚えられる! 下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。