現在の今治明徳高校は、2024年4月からFC今治高校に名称を変え、主体性を育む実践中心のカリキュラムを展開する新たな学校として生まれ変わる。2度にわたって行われたオープンキャンパスも盛況で、県外からも多くの入学希望者が集まる。そんなFC今治高校の学園長に就任したFC今治の岡田武史会長が目指す、時代に合った人材とは?
FC今治の新たな挑戦! FC今治高校里山校とは
FC今治といえば、サッカークラブのイメージが強いが、この度「次世代のため、物の豊かさより心の豊かさを大切にする社会創りに貢献する」という企業理念のもと、本格的に学校運営に参画する決断をした。
FC今治高等学校の特徴はなんといってもその実践中心のカリキュラム。必修とされる座学は午前中に済ませ、午後は里山スタジアムなどの“現場”に移動し、少人数での探究学習を行うなど、実践的な学びに力を入れる。また、AI・ICT教材なども積極的に導入する予定であり、今までにない“学びの場”を提供することで、世界の歴史を動かすキャプテンシップを持つ人財「ヒストリック・キャプテン」の輩出を目指すという。
名称変更後は、現在の本校は「明徳校」に、矢田分校は「里山校」へと生まれ変わる予定で、大学進学を目的とした「特進コース」や不登校の子の社会復帰を目指すコースの新設、県外からの学生を受け入れるために寮を完備するなど、多種多様な人材を受け入れる準備が進んでいる。
今治から日本、そして世界へ
「これから歴史に学べない時代が来るんです」。そう語るFC今治の岡田武史会長は、環境問題を考えるなかで、今の地球は閾値(いきち)を超え、元へは戻れなくなったと感じている。そんな、誰も予測できない世界を生きていくには、 自分で判断していく主体性、そして共助のコミュニティーが必要だという。
さらに岡田会長はキャプテンシップについてこう語った。「リーダーシップで上から引っ張っていくんじゃなくて、多様な人材を認め合って1つにまとめていく。こういう力を僕はリーダーシップじゃなくてキャプテンシップと呼んでいる 」。
そんなみんなを巻き込みコミュニティを作れる人材、予測不能な時代のなかで、社会を変えていける人材をうち(今治)から輩出し、日本中に、世界中に共助のコミュニティを作っていけば世界は変わるかもしれない。
「こんなこと言ったらまた岡田のホラだと言われるかもしれないけど」と笑っていたが、岡田会長の言葉に、いつか本当にそんな世界になるのだろうと納得させられてしまうような信念を感じた。これからのFC今治高校に注目したい。