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2023.03.15

エグゼクティブの教養! パーティ会場での必須マナーQ&A

キャリアを積むにしたがって、企業の周年記念や新製品お披露目といったビジネスがらみのセレモニーに招待される機会も増えてくる。なかでも多いのが立食スタイルだが、これこそパーティ慣れしていない日本人がマナーに戸惑うシーン。学生時代の二次会ノリでは恥ずかしい。今こそ知っておきたい大人の立食パーティでの正しい振る舞いを、国際ボディランゲージ協会代表理事・安積陽子さんが指南!【結婚式編】 【葬式編】

意外と知らない! 振る舞いのポイント

「晴れやかなパーティシーンでの装いや振る舞いは、基本的には結婚式と同様です。ドレスコードが指定されていれば服装はそれに沿ったものを選び、会話や振る舞いも主催者や参加者に失礼がないよう配慮してください」

とはいえ、料理の取り方をはじめ、立食スタイルならではのマナーもある。自信を持って参加し、有意義な時間を過ごすためにも、最低限のマナーは押さえておきたいもの。

「ブッフェテーブルに前菜からデザートまでさまざまな料理が用意されているケースが大半ですが、多くのパーティは食事のためでなくゲスト同士の交流を目的としています。食事に重きを置くのではなく、ゲストたちとの交流を楽しむ方がスマートですよ」

【Q1】遅刻はどの程度なら許される?
A 30分以上遅れる場合はホストに連絡を

立食パーティの場合、開始時間から5〜10分ほどの遅刻であれば問題ありません。最初の30分は交流タイムのことが多いので、遅刻しそうだからと断念せず、会場に向かいましょう。30分以上遅れそうな場合は、ホストが心配するといけませんので、必ず連絡を。ただし、ホストは忙しくて連絡を受けられないかもしれないので、ホストだけでなくホストに近しい人にも同時に連絡するのが安心です。

【Q2】中座しなければいけない時はどうすればいい?
A 5分程度なら、周りの人に「失礼します」でOK

携帯電話の応対をしなければならない時やお化粧室などへ行く場合は、周りにいる方々に「失礼します」と伝えるだけで構いません。あまり長い間不在にすると心配をかけてしまいますので、できれば5分程度で戻るように。

やむを得ず途中で退席しなければならない場合は、ホストに余裕がある時を見計らい、あらかじめその旨を伝えておきましょう。その際、「他の会に参加しなければならない」といった水を差すような理由は添えず、「家族の事情で/やむを得ない事情がありまして、○時頃に退席させていただきます」と伝えてください。また、「お祝いの言葉」「招いてくれたことに対する感謝の気持ち」「途中退席のお詫び」をセットで口にするとスマートです。

【Q3】知り合いになりたい人を見つけた。名刺交換に行っていい?
A 最初から名刺を取り出すのはマナー違反です

カジュアルなパーティであれば、自分から積極的に声をかけても構いません。ただし、最初から名刺を差し出すのではなく、まずは自己紹介を。名刺交換をしてもよさそうな雰囲気になった場合のみ、名刺を出してください。フォーマルなパーティであれば、ホストもしくは第三者を通して紹介してもらうのがマナーです。

【Q4】外国人ゲストから握手を求められた!
A 互いの手を親指の付け根まで差し込んでしっかり握手を

アイコンタクトをとりながら、お互いの手を親指の付け根まで差し込んで、しっかり握る。これが正しい握手のしかたです。相手が女性であっても弱く握るなどの配慮は不要ですし、指だけを握るのもタブーです。また、頭を下げてしまうと目と目が合わなくなるので、お辞儀しながら握手をするのはやめましょう。

なお、握手は立場が上の人から差し出すもの。下位の人が上位の人に握手を求めるのはマナー違反だと心得てください。

【Q5】会場に並べられているイス、座って良いですよね?
A 高齢者や妊婦さん、お身体が不自由な方のためのものです

会場の隅に椅子が並べられているケースも多いですが、基本的にはご高齢者や妊婦さん、お身体が不自由な方向けです。小さなお子様を同伴されている場合はともかく、特別な事情がない限りは、必要な方のために空けておきましょう。自分が座って食事をしたいからと、荷物などを置いて席を確保するという行為は厳禁です。

【Q6】ブッフェ台に長い列が。後ろに並ばないとダメ?
A お目当ての台が空いていればさっと入っても構いません

列ができているところに割り込んでお料理をとるのは好ましくありません。列が空くまで待ち、その間は会話を楽しんでほしいですね。ただし、カジュアルなパーティの場合、目的のブースに3、4名以上の空きがあるなら、さっと入ってもよいでしょう。一番後ろに並んでしまうと、かえって混雑の元になってしまいます。

【Q7】取り皿は同じものをずっと使うべき?
A お料理ごとに変えた方がおいしくいただけます

前菜からデザートまで同じお皿を使ってしまうと、ソースやドレッシング、煮汁などが混ざり合って、せっかくのお料理が台無しになってしまいます。また、同じ前菜でも、冷たいものと温かいものはお皿を分けた方が、温度も味も混ざらずおいしくいただけます。なので、次のお料理を取りに行く際は、新しいお皿を使うようにしてください。その際、お皿一枚につきお料理は2~3種類まで、山盛りに盛るのではなく、お皿の7割程度に収まるように盛りつけるのがおすすめです。食べ終えたお皿はテーブルの上に置いたままにし、ウェイターなどホールスタッフに下げてもらいましょう。

なお、両手にお皿を持って移動するのは美しくないので控えてほしいですね。一度にたくさんのお料理をとって自分のテーブルに並べたり、食べ残したりはスマートではありません。お皿の上が空になったら、次のお料理を取りに行くようにしてください。

スマートに振る舞える会話のポイント

会場内を自由に行き来できる立食パーティは、ゲスト同士の交流が目的のケースが多い。“壁の花”になるよりもゲストとの会話を楽しむのが一番だが、その際も、「マナーを守って」が前提になる。

「とくに初対面の方に対しては、ビジネスがらみのパーティか否かによってもタブーな行為が変わってきます。相手はもちろん、周囲の方々やホストに不快感を与えないよう節度ある行動を。迷惑をかけないためにも、過度な謙遜による自虐や、『若い、頑固だ、気が強い、頼りない』など、マイナスのイメージを連想させるような言葉は、口にしてはいけないと覚えておきたいですね」

【Q8】初対面の人との会話のきっかけがつかめません
A 「華やかな会ですね」と切り出してみては?

ビジネスとは関係ないイベントやパーティの場合は、隣り合わせになった方や目が合った方に「華やかな会ですね」「ご挨拶させていただいていいですか」という言葉で切り出すのがおすすめです。その後、「主催者とは、どのようなお知り合いですか?」「今日は遠くからいらしたのですか?」「私はこのイベントに初めて参加したのですが、以前にも参加されたことはありますか?」「今日は1人で来てしまったので、知り合いがいないのです。お知り合いの方はいらっしゃいますか?」などと、会話を始めるとよいでしょう。

【Q9】自己紹介で気をつけることは?
A ビジネスがらみなら社名を名乗っても構いません

ビジネス関連のパーティであれば、「はじめまして、[会社名] の[名前] と申します」と社名を名乗っても問題ありません。ただし、相手が自分の情報を明かそうとしない場合は、無理に聞き出すのはやめましょう。

なお、外国の方に自己紹介する際は、会社名から伝えるのはスマートではありません。まずは自分の名前と仕事の内容から伝えてください。

【Q10】口にしてはいけない話題は?
A 褒めているつもりでも身体にまつわる話題は要注意

結婚式と同様、外見に関する話題は控えましょう。褒め言葉のつもりでも、異性に対して、細い・背が高い・肌が白い・セクシーといった表現は慎んでください。とくに外国の女性に対してこのような表現をしてしまうと、「この人は自分の身体をジロジロと見ている、セクハラではないか」と思われてしまうことがあるので、一層注意が必要です。

また、「彼氏」「彼女」「旦那」「奥さん」など、相手のパートナーが異性だということを前提にした表現は避け、「恋人」や「パートナー」など、性別に中立的な言葉に言いかえてください。LGBTQは特殊だといった認識をほのめかすような話題もタブーです。結婚しているからといって子供がいるとも限りませんので、お子様に関する質問もしないこと。

【Q11】会話を切り上げるポイントは?
A 笑顔で「お話できて良かったです」と返し、スマートに別れる

目の前の相手との会話を切り上げたい時は、沈黙ができたタイミングで、笑顔で「お話しできてよかったです、ありがとうございます」などと切り出すとよいでしょう。「では飲み物を取りに行ってきます」「他の方々ともお話したかったですよね、独占してごめんなさい」などという言葉もおすすめです。別れ際は、「残りの時間も楽しくお過ごしください」など、相手を気遣う言葉も忘れずに。

安積陽子/Yoko Asaka
国際ボディランゲージ協会代表理事、FIT(ニューヨーク州立ファッション工科大学)イメージコンサルティングプログラム講師、IRC JAPAN代表。
アメリカ・シカゴ生まれ。2009年に帰国後、Image Resource Center of New Yorkの日本校代表に就任し、2016年、一般社団法人国際ボディランゲージ協会を設立。2022年より、ニューヨーク州立ファッション工科大学でイメージコンサルティングプログラムの講師を務める。著書に、『NYとワシントンのアメリカ人がクスリと笑う日本人の洋服と仕草』、『CLASS ACT(クラス・アクト)世界のビジネスエリートが必ず身につける『見た目』の教養』などがある。

TEXT=村上早苗

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