商品やサービスの誕生の過程で企業が得たインサイトに基づき、Z世代を動かすキーワードやヒントについて考察する、シリーズ「若者生態研究所」。今回は若者世代に注目されている、2022年度のトレンドワードを紹介。
トレンドワード、本当にちゃんと「読める」?
世のトレンドを取材する者にとって、毎年7月を過ぎると「嗚呼、今年もあっという間に残り半分か…」と感じることの1つが、その年のトレンドや流行語のランキング、番付の発表だ。2022年上半期の日経MJや楽天トレンド予測では、コロナ禍での自粛からの「リベンジ」ということでのリベンジ消費やリベンジ旅行、ロシアによるウクライナ侵攻や円安などの影響を受けての物価高からの「値上げ消費」などが挙げられている。いずれもコロナ禍前のような流行りモノ感はないキーワードばかりで、残念ながら心躍る内容ではない。
一方で、Z世代を始めとする若い世代は、不況や将来への不満はありながらも、今という時を謳歌中。テレビ番組の制作や商業施設のリニューアルの戦略が、人口比率としては少ない若い世代にターゲットをシフトしているのは無理もない。どうせ作るならば、未来につながるほうがいい。
今回は、そんな若い世代が注目している、2022年度の流行ワードをピックアップしてみたい。いきなり2022年に登場したものではないので、なんとなくネットニュースなどで目にしたことがあるという人もいるかもしれない。でも、そこにちょっと罠がある。実は、当事者である若い世代でも文字でのやり取りが主流であるがゆえに、読み間違えていることが多々あるからだ。
以下の5つのワードは、いずれもZ世代の女性に人気のコンテンツ。ぜひ読み方も予想していただきたい。
答えは、各ワードをクリックして確認を。
5つのうち、正しく読み方と意味を答えられたワードはあっただろうか?
今回のキーワードで注目したいのが、流行りの多くが韓国と中国からのものだということだ。これはアメリカでも共通している。Z世代にとって情報の入手源には、仲のいいリア友と同じレベルで、SNSがある。検索もGoogleなどの検索ツールではなく、InstagramやTikTokで行い、より詳しい情報がほしいとなったら投稿者にコメントやメッセージをするか、YouTubeなど、より長い動画等で情報発信しているサイトで探す。「そのやせ見えするジャケット、どこで買えるのか知りたい」「目を整形級に大きく見せられるメイクを自分でもやってみたい」といった行動フェーズに移らせるだけのコンテンツ力があるものが伝播し、若い世代を魅了しているのだ。
Yuko Kitamoto
大阪府生まれ。IT系出版社に勤務後、「女性にもITをもっとわかりやすく伝えたい!」とIT系編集・ライターとして独立したはずが、生来の好奇心の強さとフットワークの軽さから気が付けばトレンドライターとして幅広いジャンルを取材・執筆。人をより幸せにしたいと開発された商品やサービスに込められた思いを広く伝えるべく、日々駆け回っている。