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2022.01.24

アームチェアトラベルってなんだ!? ──連載「人のEnglishを笑うな」Vol.128

35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者。「その英語力でよく来たね(笑)」と笑われて2年後、英語力未だ0.5であえなく帰国。だけど日本にいたって、きっともっと英語は覚えられる! 下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」第128回!

自宅にいながら旅行する!?

どこか旅行に行きたいなとずっと思っています。とはいえ今の世の中、動き回るのは不安もあります。やむなく海外出張に出て、隔離を余儀なくされている人の話を聞くと、海外旅行もしばらく難しいなぁとつくづく感じます。そう思っていたら、イギリス人のオンライン英語教師にこう言われました。

Armchair Travel Will Enrich Your Life.

「アームチェアトラベルは人生を潤す」という意味です。けれど「アームチェアトラベル」とはなんでしょうか。

「最近、旅行に行けないのに、旅行ガイドを見たり、旅行ブログ見ちゃうのよね。でもそれもなかなかいいものだよ」

英語教師はそう続けました。どうやら「アームチェアトラベル」は「家のアームチェアに腰掛けながら出かける旅」ということで、実際にはどこにも行ってないけど、旅を題材にした本や映画を見て行った気になる、ということでした。

「お金もかからないし、疲れないし。でも外国の旅行ガイドや歴史本を見ていると、勉強にもなるし、想像力だって鍛えられるわ」と笑っていました。

実際、“armchair traveller”といったら「行ったこともないくせに、どこのレストランがいいとか、うんちくばかり垂れるヤツ」というようなネガティブな意味でも使われます(ちなみに「トラベラー」はイギリス英語だと“traveller”、アメリカ英語だと“traveler”で“L”の数が違うのです)。けれどこの英語教師は、“armchair travel”をそうネガティブにはとらえていませんでした。その証拠にこう言ったのです。

Armchair travel is not the same as sitting in the bleachers of life.

「アームチェアトラベラーは人生のブリーチャーズに座っていることと同じではない」

直訳するとこうなってしまって、一瞬戸惑いました。そもそも「ブリーチャーズ」がわかりませんでしたが、こういうことでした。

bleachers=外野席

日本語でも「外野席」は、「責任を持たない人」という意味になることもありますから、これでなんとなくフレーズの意味は予想できました。
「外野席からうんちくばかり垂れているやつと、アームチェアトラベラーは違うよ」ということでしょう。

「“Armchair travel is not the same as sitting in the bleachers of life.”は雑誌の記事からの引用で、私自身の言葉ではないんだけど」と照れ臭そうに先生は言っていましたが、確かに「京都に行く」ことにして、ガイドブックなんかをしっかり読み込んだら、自然と歴史や文化の勉強もできるでしょう。どんな場所かイメージすることで、想像力も鍛えられるかもしれません。

そこで私もさっそく、旅行ガイドをいくつか、Kindleでダウンロードしました。せっかくなので、ガイドブックも英語で書かれているものをと、旅行ガイドブックシェア世界一の「Lonely planet」の英語版エディションも入れてみました。ガイドブックなので完結な英語で書かれていて難しい表現も少なく、気軽に見ることができます。

また、日本の旅行ガイドと違ってこの「Lonely planet」の写真掲載は最小限です。欧米だと「旅行ガイドにたくさん写真が載っていたら、実際に見るときのワクワクがなくなってしまう」と考えている人も多いからだと聞きました。文章から場所を想像するというのは、想像力を鍛えるトレーニングにもなりそうですし、英語で読んで想像できるかどうかは、文章を本当に理解しているかどうかのいい判断材料になります。

ちなみにこの「Lonely planet」、日本の観光案内を見てみたところ。
「TOKYO」のページに1枚だけ載っていた写真が、秋葉原のネオンでした。銀座でも渋谷のスクランブル交差点でもなく、秋葉原が、東京の代表なのかぁと思うと不思議な気持ちでした。Kindleは「Lonely planet」の英語エディション、サンプル版が無料でダウンロードできます。世界中をアームチェアトラベルしながら、歴史と文化の勉強ができ、さらにリーディングの練習もできるのでかなりお得です。

Illustration=Norio

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連載
英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」

英語力ゼロのまま渡英、行けばなんとかなると思いつつなんともならなかった2年間のイギリス生活。帰国後はせっかく覚えたいくつかの英単語も忘れ去り、それでも時々は英語と格闘してみる現在、40歳。いつかはうまくなりたいから、恥を忍んで今日もブロークンイングリッシュ。下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。

TEXT=MOMOKO YASUI

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