経営者として多忙に働きながら、移動時間はすべて読書に費やすほどの読書家である佐伯真唯子さんの本誌連載“GOETHE CULTURE Book”。2021年、佐伯さんの心に響いたを本をまとめて一気に振り返ってみる。
世界201ヵ国の若者に「夢」を語ってもらった壮大な1冊
世界201ヵ国の若者に「夢」を語ってもらうという壮大な企画を実現した本書。各国の若者たちが思い思いに夢を語るその言葉に接していると、さまざまな気づきがあって私なりにSDGsへの理解をより深めることができました。
特に私が印象的だったのが、先進諸国と開発途上国の人々の夢の違い。欧米などの経済的に豊かな国々では、「サステナブルな生活を設計する」「若者のエンパワーメント」など、テクノロジーの発展やウェルビーイングといった〝よりよく生きる〞ための夢が大半ですが、途上国の若者たちは「農村部のシングルマザーを解放する」「誰もが医療を受けられるように」など、最低限の〝命をつなぐ〞ことに直結する夢が中心なのです。
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アラブの王様たちとの付き合い方とは? リアルな中東がわかる一冊
ラブの石油王、砂漠、ラクダ、一夫多妻制……。中東と聞くとそんなイメージが強い人が多いのではないでしょうか。かくいう私もそのうちのひとりですが、本書を読んで、それがあくまでも中東の一側面でしかないことを痛感しました。
著者は日系企業で働きながら、日本文化を中東全域に広める活動を個人で行っている鷹鳥屋明(たかとりやあきら)さん。SNS上で約10万人ものアラブ人フォロワーがいるという、中東きっての有名日本人なのです。
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人生を好転させるヒントがここに。大阿闍梨の言葉に学ぶ1冊
金峯山寺1300年の歴史で達成したのはわずかふたり、標高約1700mの険しい山道を往復48㎞千日間歩き続けるという「大峯千日回峰行(おおみねせんにちかいほうぎょう)」。
また、9日間にわたり食べず、飲まず、寝ず、横にならずを続ける「四無行(しむぎょう)」。この想像を絶する荒行を満行したのが、仙台・慈眼寺(じげんじ)の住職、塩沼亮潤大阿闍梨(りょうじゅんだいあじゃり)です。慈眼寺で行われる護摩祈禱と法話には、全国各地からさまざまな思いを抱えた経営者や著名人たちがやってくるといいます。
「なぜこんな我慢ばかりしてるんだろう」「どうして私だけが嫌な目に遭うんだろう」。そんな気持ちになること、ありますよね。でも、塩沼さんが説くのはあらゆる物事に感謝をし、今この瞬間を精一杯生きることの大切さです。
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