縁も運も自分の心から発するもの。心の奥底に沁みる大阿闍梨の言葉
金峯山寺1300年の歴史で達成したのはわずかふたり、標高約1700mの険しい山道を往復48㎞千日間歩き続けるという「大峯千日回峰行(おおみねせんにちかいほうぎょう)」。
また、9日間にわたり食べず、飲まず、寝ず、横にならずを続ける「四無行(しむぎょう)」。この想像を絶す
る荒行を満行したのが、仙台・慈眼寺(じげんじ)の住職、塩沼亮潤大阿闍梨(りょうじゅんだいあじゃり)です。慈眼寺で行われる護摩祈禱と法話には、全国各地からさまざまな思いを抱えた経営者や著名人たちがやってくるといいます。
「なぜこんな我慢ばかりしてるんだろう」「どうして私だけが嫌な目に遭うんだろう」。そんな気持ちになること、ありますよね。でも、塩沼さんが説くのはあらゆる物事に感謝をし、今この瞬間を精一杯生きることの大切さです。
恨まず、嫌わず、許すこと。常に心のなかで反省し、懺悔して自分を高めていく。それを実践することで人生は驚くほどいい方向に変わるのだと。
辛さや苦しさのすべてを自分の心の鍛錬だと捉え、明るく前向きに気持ちを切り替えて生きる。それこそが良縁、運を引き寄せることにつながっていく――。
塩沼さんの言葉には、聞く者の心を解きほぐし、背中をそっと押してくれるような不思議なパワーが宿っています。
『幸(さいわ)いをいただきまして このひとときを大切に』
塩沼亮潤 著 幻冬舎 ¥1,430
Mayuko Saeki
ヴィエリス代表取締役。全身脱毛サロン「メンズキレイモ」等を60店舗以上展開。1600人の従業員とともに、SDGsの実現にも積極的に取り組む。移動時間はすべて読書に費やす読書家。