日本人の知らない不思議な魅力に満ちた中東世界
アラブの石油王、砂漠、ラクダ、一夫多妻制……。中東と聞くとそんなイメージが強い人が多いのではないでしょうか。かくいう私もそのうちのひとりですが、本書を読んで、それがあくまでも中東の一側面でしかないことを痛感しました。
著者は日系企業で働きながら、日本文化を中東全域に広める活動を個人で行っている鷹鳥屋明(たかとりやあきら)さん。SNS上で約10万人ものアラブ人フォロワーがいるという、中東きっての有名日本人なのです。
実際にサウジアラビアの王族や財閥の子息とも交流した貴重な体験を交えながら教えてくれる、中東のリアル。特に印象的だったのは、アラブでも日本のカルチャーが幅広い世代に支持されていること。『キャプテン翼』、『呪術廻戦』などのアニメはもちろん、テレビバラエティの『風雲!たけし城』は、そのあまりの人気にサウジアラビアでリメイク版が制作されたほどだといいます。
他にも、日本の焼きそばパンがブームになっていて、日本人として誇らしい気持ちになりました。語り口も実に軽快で、中東世界をグッと身近に感じさせてくれるはず。ハチャメチャだけどどこか憎めないサウジアラビアの王子とのエピソードは、抱腹絶倒です!
『私はアラブの王様たちとどのように付き合っているのか?』
鷹鳥屋明 著 星海社新書 ¥1,155
Mayuko Saeki
ヴィエリス代表取締役。全身脱毛サロン「メンズキレイモ」等を60店舗以上展開。1600人の従業員とともに、SDGsの実現にも積極的に取り組む。移動時間はすべて読書に費やす読書家。