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2021.12.27

That’s storm in a teacup.の意味って? ──連載「人のEnglishを笑うな」Vol.125

35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者。「その英語力でよく来たね(笑)」と笑われて2年後、英語力未だ0.5であえなく帰国。だけど日本にいたって、きっともっと英語は覚えられる!下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」第125回!

紅茶の中で嵐が巻き起こる!?

かつて所属した会社で、企画書では使用するフォントが決まっている、というルールがありました。新入社員でなにも知らなかった私は、企画書をアレンジしようと、フォントを少しだけ変えてタイトルの大きさなども変更してみました。

企画の内容よりも、書式の件でめちゃくちゃに怒られました。
社内のルールというものは絶対なのだと学んだ瞬間でした。

そんな話しを、オンラインの英語教師にしたら、こう言われました。

That’s storm in a teacup.

ストーム イン ア ティーカップ。
「それはティーカップの中の嵐だ」ということでしょうか。

詳しく聞いてみると「嵐が起きてはいるが、ティーカップの中でくらい小さいことだ」というようなことで、「大した議論ではない」とか「くだらない議論」というように批判する時に使うフレーズということでした。
ケンブリッジの英英辞典にはこういう例文もありました。

It would seem that the process has come a long way forward and this is probably a storm in a teacup.

(そのプロセスは随分進んでいるようですし、おそらくは無駄な議論でしょう)

なにかの問題について議論しているけれど、今はその次元ではないので、その議論は小さなこと、意味のないこと、と言った様子でしょうか。

企画書のフォントが明朝だろうがゴシックだろうが、「たいした議論ではない」とオンラインの先生は言っているようです。

意味は違いますが、小さい世界でのできごと、という感じは「井の中の蛙大海を知らず」の概念とちょっと似ているなと思いました。
「さすが、紅茶の国イギリスだね、そんなフレーズにもティーが出てくるんだね」と喜んだのですが、実はアメリカ英語でもある言葉だそうで、アメリカではこのように言うそうです。

tempest in a teapot

“tempest” は“storm”と同じ、嵐のことですし、ティーカップがティーポットになっただけなので、ほぼ同じことです。カップからポットになったので少しだけ世界が大きくなったような気がしますが、そんな風にささいな違いをあげつらうことこそ、“storm in a teacup”でしょう。

「くらだないことを議論している」「小さなことで騒ぎ立てる」といった批判的なこのフレーズ、実は似た表現がもうひとつあるそうです。それがこちらでした。

make a mountain out of a molehill

なんのことかさっぱりわかりませんでしたが、最後の「モールヒル」とは「もぐらが作った丘」ということで、もぐらが穴を掘った時に地上にちょっと溜まっている土のかたまりのことです。ようは「もぐらが作った小さい丘を、山とか言うな」ということで、これも「小さいことで騒ぐな」ということでしょう。

同じくケンブリッジの辞書にはこういう例文がありました

Stop worrying! You’re making a mountain out of a molehill.

「自分で大袈裟にしているだけでしょ、そんなことで悩まないで」といったところでしょうか。

企画書のフォントが決まっている会社にいた際、クライアントの会社と会食がありました。当日は先方の「フェロー」と「顧問」がいらっしゃるということ、いったいどちらの方がエラいのかわからず、どちらを最も奥に座らせるべきなのか、てんやわんやしたことがあります。最後はどうでも良くなって適当に決めましたが、そんなことで2時間ほど社内で議論してしまって、あれこそ“make a mountain out of a molehill”だった気がします。まぁでも、実際気にする方は気にするので、一概には「くだらないこと」と言い切れないのが、社会の難しいところです。

Illustration=Norio

TEXT=MOMOKO YASUI

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