35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者。「その英語力でよく来たね(笑)」と笑われて2年後、英語力未だ0.5であえなく帰国。だけど日本にいたって、きっともっと英語は覚えられる! 下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。英語力ゼロレッスン「人のEnglishを笑うな」第114回!
犬派の英国人に教えてもらった、犬を使った不思議な表現
以前、権力者に従順な人のことを“Poodle(プードル)”“lapdog(ラップドッグ)”という、とここでお伝えしました。「会社の犬」のように日本語でも同じように、「犬」を使って表しています。そして先日、イギリスの方とお話をしていたら、「犬」を使った新しい表現が出てきました。
You will be Like a dog with two tails when you hear this news!
共通の知り合いについて話をしていた時、相手がこう言ったのです。
直訳すれば「もしあなたがこのニュースを聞いたら、2本の尻尾の犬のようになる」。
まったく意味がわからず固まっていましたが、相手はかまわず話し続けます。
Finally, She got married!
(ついに、彼女結婚したのよ!)
話題になっていた「彼女」とはは、ずいぶん長い間ボーイフレンドと付き合っていながら、しょっちゅうケンカもしていたので、長年周りがハラハラして見守っていました。その彼女がついに結婚となったので、大変めでたく、喜んでいると。
That’s Like a dog with two tails!
(それが、Like a dog with two tailsよ)
と言われました。私が“Like a dog with two tails”の意味をわかっていなかったのを、相手もちゃんと理解していました。
Like a dog with two tails=大喜びする、とてもうれしい状態
という意味だと教えてくれました。犬がぶんぶん尻尾を振っている様子からきていて、尻尾をふりまくっていると、2本に見えるので“with two tails”なのだそうです。
確かに日本語でも「尻尾を振って」を喜んで、という意味で使われることもあります。でも「あいつ、こう誘ったら尻尾を振ってついてきたよ」など、なんとなく相手を下に見る時に使う印象です。しかし英語のこの“Like a dog with two tails”はそういうニュアンスはなく、ひたすらに喜んでいるような印象だということ。
Dog and bone(ドッグアンドボーン)、さてなんと聞こえる?
「イギリス人は犬が好きだね」と言ったら、もうひとつ、こんな表現を教えてくれました。
Dog and bone = telephone
“Dog and bone”は訳せば「犬と骨」ですが、これは主にロンドンで「電話」という意味になるのだそうです。わりとストリート系の人が使うようで、コックニーアクセントと呼ばれる、都会のアクセントでDog and bone(ドッグアンドボーン)の発音がtelephone(テレフォーン)に聞こえるから、というのが理由のようです。英語力0.5では全然そんな風には聞こえないし、どう発音したらそうなるのかもさっぱりわかりません。
I was on the dog and bone with my brother.
(弟と電話してた)
というように使うのだそうです。まぁこれはスラングですので、相手もまさか私が使うと思っておらず、からかい半分で教えてくれたのでしょうが。
ちなみに、ロンドンにいた頃はよく大型犬を散歩している人をみかけました。
巨大な秋田犬のような犬をみかけた時は、さすがに珍しく撫でさせてもらっていたら飼い主に「もしかしてあなた日本人? この子、AKITA Dogなの」と言われたことも。イギリス王室はずっとコーギーを飼っていますし、あちらこちらで犬のキャラクターも目にするので、普段は圧倒的な猫派の私もイギリスに行けば犬によろめいてしまいます。
Illustration=Norio