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2021.08.14

広がり続けるビットコインへの投資。その先にある金融の未来とは?

暗号資産やブロックチェーンが持つ世界を変える大きな可能性について、さまざまなキーパーソンを取材していく新連載。今こそ知っておくべき、暗号資産の知識とビジネスへの活用例とは? 連載「キーパーソンを直撃! 暗号資産は世界をどう変えるか?」vol.4

暗号資産は世界をどう変えるか?

マネックスグループ創業者 松本大氏が明かす、金融業界の未来

暗号資産の代名詞であるビットコインへの投資が広がりを見せている。今年4月には1BTC(ビットコインの単位)=700万円を突破し過去最高値を更新。仮想通貨バブルとして記憶に新しい2017年末に記録した1BTC=230万円の約3倍の価格である。6月時点では1BTC=400万円前後で推移しやや落ち着きを取り戻しているが、ビットコインへの投資に興味を持った人も多いはず。しかし、暗号資産およびブロックチェーン市場のダイナミクスを理解することは容易ではない。

今回の連載では、暗号資産取引所のコインチェックを傘下(さんか)に持つマネックスグループ創業者の松本大(おおき)氏に、暗号資産およびブロックチェーンへの投資とその先にある金融の未来について話を聞いた。

私がビットコインと出合ったのは’13年頃です。友人の紹介で出会った人物が業界に詳しく、いろいろと話を聞きました。その頃は1BTC=1万円くらい。当時は、数年経てば忘れ去られてしまう新しい技術のひとつかなと思っていました。ところが’17年4月のICO(暗号資産を新規発行する資金調達法)ブームが起こり「あ、やってしまった」と直感。一過性ではない大きなムーブメントだったと気づいたんです。10月には暗号資産の事業展開を発表、’18年4月にコインチェックを買収しました。初動が遅れてしまっても、うちの会社でやらないわけにはいきませんから。

暗号資産市場に働く力学と持つべきマインド

去年から今年にかけてビットコイン価格が上昇した背景はいくつかあります。一部の機関投資家やヘッジファンドがアセットアロケーション戦略としてビットコインをポートフォリオに組みこみ始めたこと。また、ペイパルやスクエアは暗号資産決済サービスを開始しました。市場に膨大なマネーが流れこんだわけです。コロナ禍での大規模な金融緩和と財政出動も大きい。第二次世界大戦後に匹敵する規模の紙幣を刷ったことで法定通貨の価値は下がり、供給限度がある株式や不動産、そして暗号資産などの資産の需要が増えました。実証実験が本格化しているCBDC(中央銀行デジタル通貨)への期待感もあると思います。法定通貨がデジタル化すれば、暗号資産との相互運用性が高まります。

暗号資産投資を検討している人には、ぜひ長期的な視点を持ってもらいたい。投資金額が大きいと目先の利益につられて売買を繰り返し、機会損失になることも。まずは手持ち資産の1〜2%ほどで十分。将来的に価値が上がると考えたなら、少なくとも10年はそっとしておきましょう。

ブロックチェーンへの投資が意味するもの

金融商品は、価値( ≒データ)とルール( ≒プログラム)の組み合わせです。例えば、債券や手形はそれ自体が金銭的な価値を持ち、いつ満期を迎えるかなどのルールがあります。これらはほとんどすべてブロックチェーンによりアップデートすることができます。そこで重要な役割を果たすのが、イーサリアムが提起したスマートコントラクトです。この技術は、第三者の仲介なしに自動執行されるプログラムをブロックチェーン上に記録することを可能にしました。つまり暗号資産はプログラマブルマネーなんですね。例えば、おじいちゃんとおばあちゃんが孫にあげるお小遣い。その支払い条件を、3日に1回以上のLINEメッセージを送ることとしてスマートコントラクトで記録すれば、孫がやりとりをサボった場合に自動的に支払いが止まるお小遣いを設計できます(笑)。

今から約30年前にインターネットが生まれた時、ネット上でビジネスをしている企業の株式は買えましたが、インターネットそのものを買うことはできませんでした。ところが今、BTCやETH(イーサリアム)を買うことを通じて、ブロックチェーンというプラットフォーム自体に投資できます。これは非常に面白い。私はブロックチェーンにはインターネットと同じくらいのインパクトがあると考えています。暗号資産投資は、創業期のAppleやFacebookの株式を買うより、もっとエキサイティングなことなのかもしれません。

マネックスグループ 代表執行役社長CEO 松本 大
1963年埼玉県生まれ。東京大学法学部卒業。ゴールドマン・サックス証券ゼネラルパートナーなどを経て、’99年にマネックス証券を設立。マネックスグループのCEOを務める。

Illustration=細山田 曜

TEXT=師田賢人

COOPERATION=あたらしい経済

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