35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者。「その英語力でよく来たね(笑)」と日本人含め各国人からお叱りを受けつつ、覚えたフレーズの数々。下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。「人のEnglishを笑うな」第46回!
「音が聞きとれなかった時」の聞き返しはシンプルでいい
海外出張が中止、スカイプ会議に切り替わったり、家にいる時間を有効利用してオンライン英会話をはじめたなんて方も多いかと思います。イギリスでは外出制限がかかって1週間、暇を持て余した友人たちとスカイプや電話で話すことがありますが、ただでさえお互いに下手な英語、どうも対面とは違って話が通じずらいことがあります。そんな時に使える「今、なんて言った?」の表現をまとめてみました。
雑音や、発話の音量・スピードなどの問題で、単純に音が聞こえなかった時、こう言って「ごめんなさい。なんて言ったか聞こえなかった」と伝えることができます。
Sorry I didn’t catch what you said. / I couldn’t hear that.
仲間内など、くだけた会話をしてもいい場合は
What was that?
を使う人も多いです。これは「なんだって?」「今、なんつった?」というようなニュアンスになるかと思います。
まぁ、さらにざっくばらんな仲間内でしたら単純に
what?/Ei?(エイ?)
などでももちろんいいんです。
「意味がわからなかった時」知ったかぶりをしないで聞く方法
音は聞きとれたけど、英語が複雑で意味がわからなかった時、またはそもそも相手が何の話をしているか理解できなかった時、なんとなくうなずいてわかってるフリをしがちですが、実際「わからないんだけど……」と言う語彙力すらないのが英語力ゼロの私です。以下はこう言えばよかったなと思ったフレーズの備忘録です。
I didn’t get it
「ちょっとわからなかったのですが」というシンプルな言い方です。サンドイッチマン富澤たけしさんの「ちょっと何言ってるかわかんない」の英訳はもしかしてこれでいいのかなと思ったのですが、サンドイッチマン公式グッズは“I don't understand what you are saying“で作られているそうです。個人的には、より相手を突き放した感じがしてそれもいいなと思いました。Tシャツと、限定でタオルがあるそうです。欲しい。
I am afraid I don’t follow you
「すいません、話の内容が理解できないんですが」という丁寧な言い方です。“follow”は「ついていく」という意味ですから、「話について行けてないのですが(もう一度説明してくれますか)」という意味を含んでいるかと思います。大抵はこう言えば、もう一度わかりやすく話を要約してくれるはずです。
What are you on about?
話し終わった後にこう相手に言われたことがあり、意味がわからず大変戸惑いました。これは“what are you talking about?(何について話しているの?)”または“What do you mean?(どういう意味?)”という質問です。こう聞かれたら“I mean~”と話を簡略化して答えてあげましょう。
「もう一度言ってくれますか?」とお願いする時はなるべく丁寧に
単純に音が聞こえず、もう一度言ってもらいたい場合は以下が使えます。
Could you repeat that? / Could you say that again? / Would you mind repeating that?
もちろん“Pardon?”でもいいですが、こちらのほうがずっと丁寧です。いくら相手の声量が小さいからといっても、そもそも聞きとれなかったのは英語に慣れていないこちらの耳のせいですし、のちの会話をスムーズにするためにも「もう一度言って」は丁寧に伝えるべきかなと思っています。
Could you speak up please?
「もう少し大きい声で言ってくれますか?」
この場合の“Speak up”は「大きい声で言う」「はっきりと喋る」ということになります。発音に自信のない私は声量が落ちがちなのでよく言われます。
Could you speak more slowly please?
「もう少しゆっくり喋ってくれますか?」
早口な英語でも、顔を見て話していればなんとなく何を言っているかは理解できることがあるのですが、不鮮明なスカイプや電話だと、何の話をしているのかさえわからず、これを連発することが多いです。
Come again?
この場合は「また来てね」ではなく、「もう一度言って?」「よくわからなかったんだけど?」という意味になります。「音が聞きとれなかった時」「意味がわからなかった時」両方で使われます。こちらはちょっとカジュアルな聞き方です。
Could you say it in a different way?
「違う言い方で言ってもらってもいいでしょうか?」
知らない単語が出てきて話の内容がわからない時、または複雑な話についていけなくなった時、こう言って言い方を変えてもらいましょう。
Could you write it down?
「書いてくれますか?」
どうしても単語が聞きとれなかった時の、最終手段です。電話の場合は“Could you tell me how to spell it?”でスペルを教えてもらいましょう。案外知っている簡単な単語が聞きとれていないことに私はこの方法でよく気がつきます。
うなずく以外で、「わかりました」を伝える
やっと聞きとれた、または意味がわかった時にはこう返しましょう。
I see / I understand / I get you
これらは「理解しました」ということです。相手に説明をしてもらっているので
末尾に“Thank you”をつけることも大事かと思います。
I see where you are coming from
最初に聞いた時、「あなたがどこから来たかわかる」と言われたのかと思って驚きましたが、これは「あなたの言いたいことはわかった」というイディオムでした。
I hear you
これも同じく「あなたの言っていることはわかった」ということです。しかしだいたいはこの後に“but”が入りますので、「言いたいことはわかったが賛成はしない」とほぼ同義です。こんな使われ方が常です。
I hear you but I think you are wrong.(言っていることはわかったが、あなたは間違っていると思う)
Fair enough
「なるほど、了解」という意味で、こちらは相手の説明に納得した時に使います。他にも、例えば“I can’t go to work because of flu(インフルエンザだから仕事行けない)”と同僚に言われた時に“Fair enough(なるほど、了解)”と答えることもできます。文脈によっては“I hear you”と同様にその後に“but”がついて「実は賛同していない」という場合もありますので、そのあとの単語も注意して聞くべきかと思います。
外出制限の中でのSocial distancing(人との距離)
現在イギリスでは、外出は1日1回の必要物資の買い出しと、健康のための屋外の運動が許されています。ただし外に出た場合は人との距離を2メートル以上開けなければいけないため、食品店などでは、一度に入店できる人数が決められています。店に入るための行列も、きちんと2メートルの間隔を空けてみなさん並んでいます。
自身もCovid-19に感染したボリス・ジョンソン首相は「コロナの危機は、回復に向かう前に、さらに悪化する」(the coronavirus crisis will get worse before it gets better)と述べており、フランスなどが行っているように買い物は必ず1人で、など今後規制はさらに厳しくなっていくかもしれません。
決して遠い外国のことだとは思わずに、日本でもなるべく外出を自粛して、状態を悪化させないようにひとりひとりがつとめていただけたらと思います。
MOMOKO YASUI
ロンドン在住編集・ライター。1983年生まれ。男性ライフスタイル誌、美術誌、映画誌で計13年の編集職を経て2018年渡英。英語のプレスリリースを読むのに膨大な時間がかかって現在、仕事が非効率。