35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者。「その英語力でよく来たね(笑)」と笑われて2年後、英語力未だ0.5であえなく帰国。だけど日本にいたって、きっともっと英語は覚えられる! 下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。「人のEnglishを笑うな」第74回!
Eggplant? Aubergine? 野菜の言い方英米の違い。
まったく英語を勉強しないで渡英したので、アメリカ英語との違いに戸惑うほどの知識もなく、在英当時はただただ新しい単語を覚え続けるという作業を続けていました。
そんな中で、ある日アメリカ映画を見ていたら、こんな単語に出会いました。
Eggplant
これは野菜の「ナス」のことです。中学で覚えるレベルの単語です。しかし私は「ナス」をずっと、“Aubergine”だと思っていたため、「なぜ言い方が二つあるのか? 実は違うものなのか?」と混乱しました。
しかしこれは単にこういうことでした。
Eggplant(アメリカ英語)
Aubergine(イギリス英語)
“Aubergine”はカタカナにするなら「オーバジーン」というような発音です。ナスはイギリスでもさまざまな料理に使われているので、レストランでメニューを開くとよく見かける単語です。
このように野菜の名前がイギリス英語とアメリカ英語で違うことがよくあることに気が付きました。
例えば日本語としても使われている「ズッキーニ」。アメリカ英語でも同じく “Zucchini”ですが、イギリス英語ではこのようにいいます。
Courgette
“Courgette”はカタカナにすると「コォジェ」のような発音で、“Aubergine”同様、英語というよりはフランス語のような趣、と思ったらどちらもフランス語が語源でした。ちなみに私もフランス語の勉強を15年前に1年だけやりましたが、すぐに挫折しました。覚えている唯一のフレーズは“Je ne sais pas”=“I don’t know”です。
また、「ネギ」もアメリカとイギリスで言い方が違います。
Scallion(アメリカ英語)
Spring onion(イギリス英語)
これも“Spring onion”が世界共通だと思っていたので、最近まで“Scallion”という単語は知りもしませんでした。ロンドンのスーパーだと“spring onion(ネギ)”といっても日本の長ネギのようなものはあまりなく、ほとんど万能ネギに近いような、緑色の部分を食べるものが多かったです。ネギ好きの私は、白い長ネギが大変恋しく、帰国して長ネギをたっぷり入れた納豆ご飯を食べた時の感動は、いまだ忘れられません。
Radiantって何? 風呂場で出合った新しい単語
東京の地下鉄で、街の標識で、最近はさまざまな英語を見かけ、日本にいても意識さえしていれば、かなり英語の勉強になります。
昨日も東京の自宅の風呂場でボーっとしていたら、洗顔フォームに書いてあったこのフレーズが目に入ってきました。
For bright and radiant skin
「“Bright”は『明るい』だから、『明るくて“radiant”な肌のために』かな。え、“radiant”って何」
風呂から上がって調べたらケンブリッジの英英辞典にはこう書いてありました。
obviously very happy, or very beautiful(明らかに、とても幸せまたはとても美しい)
producing heat or light(熱や光をつくる)
「光り輝く」みたいなことなんだと思われます。
「明るく光り輝く肌へ」。まさにコマーシャルでよく言われているフレーズです。
疲れた日は、女子力もなにもなく、石鹸ひとつで全身洗ってしまうこともあるような人間ですが、そう言われたらちゃんと洗顔フォーム使い続けようと思いました。
英語学習の頻度は忙しくなってくるときっと皆さんも下がってくると思いますが、日常生活の中で、英語を見つけるよう意識し続けることは忘れないでいたいと思います。
MOMOKO YASUI
編集・ライター。1983年生まれ。男性ライフスタイル誌、美術誌、映画誌で計13年の編集職を経て2018年渡英、’20年帰国。