HEALTH

2026.08.17

フリーキック時の中村俊輔は口角が上がっている。中西哲生が教える“口から整える”新習慣

口元は、単に歯を磨く場所ではない。噛む、呼吸する、笑顔をつくる──そのすべてが、健康、若々しさ、思考、そして人に与える印象へとつながっている。口腔という“生命活動の起点”を整えることは、仕事の質や、人生の幸福度を高めることでもある。今こそ知っておきたい、人生をより豊かにする口元の教養をヒモ解く。今回紹介するのは「賢者の習慣」。【特集 歯こそ最強のビジネス戦略】

中西哲生氏
「なんか調子がいい!」が続く中西氏独自のコンディショニング術を公開!

口から人生のパフォーマンスを上げる

サッカー日本代表の久保建英選手など、多くのアスリートのパーソナルコーチを務める中西哲生氏は言う。

「僕の好きな言葉に『正しいことは美しい』というものがあります。丁寧に生きる、美しく生きるという意味なのですが、ものすごく大切な考え方。丁寧に生活をすれば健康につながり、その積み重ねが人生の歯車を噛み合わせ、仕事にもよい影響を与えると考えています。

皆さんは『何となくうまくいかない』とか『身体が思うように動かない』といった心身の不調を年齢のせいにしていませんか? また、がむしゃらに頑張っても成果につながらず、諦めてしまう人も少なくない。大切なのは、人間が本来持っている力を呼び起こすこと。ジムや厳しい食事制限をしなくても、姿勢や呼吸を整えるだけでコンディションは変わります。著書『人生最高のコンディショニング』にはそんな日常の小さな習慣を紹介しています。

なかでも注目しているのは、口から整えるコンディショニング。歯を守るための口腔ケアはもちろん、口腔環境を整えることは全身のパフォーマンスにもつながります。例えば、口に力を入れたままプレイすると余計な力みが生じ、パフォーマンスが低下します。僕がコーチングするサッカー選手には、『プレイ中は口元をリラックスさせること!』と伝えています。その点、久保選手は口の使い方がとても上手いんですよね。

一方で、『口角』もコンディショニングのポイントのひとつ。口角が上がるとポジティブな思考を引きだしやすいと言われています。現役時代の中村俊輔氏のフリーキックを見ていると口角が上がっていることが多く、重心が高く保たれ、身体を上手に使えていたのではないかと感じます。ほんの些細なことですが、毎日の積み重ねがよりよいパフォーマンスにつながっていく。口から整える新習慣で、コンディションを人生最高まで高めていきましょう」

『人生最高のコンディショニング』

自身の経験とトップアスリートへの指導をもとにたどりついた、コンディショニングの習慣をまとめた一冊。食事や睡眠、呼吸の仕方から暦や神社参拝まで、日々の暮らしや仕事、人生も好転する55のメソッドを紹介。今回はこの本書のなかから、口腔ケアを切り口に身体のコンディションを整える4つのメソッドを紹介。「正しく生きると、人生の歯車が噛み合う」と語る。

『人生最高のコンディショニング』
『人生最高のコンディショニング』
中西哲生 幻冬舎 ¥1,540

1.正しい呼吸は「鼻呼吸」。舌の位置の改善を

「心身を内側から整えるためには正しい呼吸方法を身につけることが大事。健康のためには鼻呼吸がよいと言われていますが、今、鼻呼吸ができない人が多くなっているそうです。口呼吸から鼻呼吸に変えるには『舌の位置の改善』をすること。舌は常に上あごにくっついているのが理想です。『ん〜』と発音して、舌の正しいポジショニングを身につけましょう」

舌の位置のイラスト

2.「舌回し」の筋トレはほうれい線にも効く!?

「舌を上あごにつけた状態にするには、舌の筋肉が必要です。舌の筋トレといえば『舌回し』。上の歯をなめるように舌を回し、次に下の歯をぐるっと1周。これを数セット行います。舌の筋肉はもちろん、口まわりのたるみやほうれい線、二重あごのケアにも効果的。滑舌もよくなるため、僕はラジオやテレビの本番前のルーティンにしていました」

舌回しのイラスト

3.口元をリラックスさせて身体の「力み」をなくす

「身体に余計な『力み』があると、パフォーマンスが上がりません。それは口元も同じ。あごが上がり、肩に力が入って姿勢も悪くなります。まずは口元のリラックス。「い」の段(い・き・し・ち・に・ひ・み・り)のどれかを言うと、口が横に広がって力みが取れます。サッカーのトラップの練習に取り入れたら、力みが取れてボールがピタッと止まるようになりました」

サッカーのトラップの練習のイラスト

4.食事時間も筋トレ?「噛む」チカラを鍛える

「『食材を噛めば噛むほど身体によい』と言われますよね。唾液に含まれる消化酵素、アミラーゼと混ざるので、消化器官の負担を軽減できます。とはいえ、噛む回数をいちいち数えていられないので、『食材を噛み砕いて水分を外へ出すように』と伝えています。そうすると自然と噛む回数も増えていきますし、食材の甘みや旨みも感じられるようになります」

噛むイメージのイラスト

中西哲生/Tetsuo Nakanishi
スポーツジャーナリスト。1969年愛知県生まれ。現役時代は名古屋グランパスエイト、川崎フロンターレに所属。引退後はスポーツジャーナリストとして数多くのメディアで活躍し、現在は川崎フロンターレクラブ特命大使、出雲観光大使、またTOKYO FM『TOKYO TEPPAN FRIDAY』(毎週金曜日15:00〜17:00)のメインパーソナリティなどを務める。アスリートなどのパーソナルコーチも行う。

【特集 歯こそ最強のビジネス戦略】

この記事はGOETHE 2026年9月号「総力特集:歯こそ最強のビジネス戦略」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら

TEXT=長谷川真弓

PHOTOGRAPH=長尾真志

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