自分は本当に集中できているのか、リラックスできているのかを最新のテクノロジーで可視化し、トレーニングで脳の老化を防ぐ。50歳を超えた編集部員が試した。【特集 完全無欠の復活メソッド】

Solvvyが独自開発したニューロフィードバックエンジンを搭載し、α波を高めるトレーニングを効率的に行うことができるシステム。脳波の変化を知り、それをコントロールすることを目指す。¥198,000(Solvvy https://neuro-switch.jp)
自身の脳波を見える化して脳を整える
リーン、リンリン、リーン。涼やかな鈴の音が聴こえる。初めは音楽だけが聴こえて鳴らなかった鈴の音だが、だんだん音が大きくなってきた。なんだかすごくリラックスできている気がする……。
これはニューロフィードバックで、脳を整える「Neuro Switch」トレーニング。頭に脳波計測デバイスを装着し、脳波を測る。自身の脳が今どんな感じかを知ることで、リラックスした状態や集中できている状態をトレーニングで身につけるのだ。つまり、それによって日常のさまざまなシーンでパフォーマンスを上げようというもの。ちなみにニューロフィードバックとは、自分の脳活動をリアルタイムでモニターし、その活動を訓練によって制御すること。ITの世界で話題のブレインテック(BrainとTechnologyを組み合わせた言葉)の技術のひとつだそうだ。
さて、50歳を超え、集中力が続かない、記憶力の低下を感じ、「脳も年を取ったのかな」と日々、感じるようになってきた。そこで「Neuro Switch」を体験してみることに。インストラクターの説明によると、まずは1日15分(5分×3回)を2週間行ってほしいと言う。果たしてその成果は?
感想はというと、言ってしまえばこの“脳トレ”は、マインドフルネスであってサウナで言う“ととのう”だ。よく「海外のエグゼクティブはマインドフルネスを日常で行っている」とか、「日本のデキるビジネスパーソンはみんなサウナが好き」といったことを聞くが、ここぞの大事な時に集中力を発揮できたり、リラックスしてストレスを緩和できたら、これほど嬉しいことはない。よく無心とか集中とか言うが、頭のなかではいろいろなことを考えていたり、雑音が気になったりするもの。
この脳トレでは自分がリラックスできた状態に鈴の音が聴こえ、トレーニング終了後にはリラックス状態のα波がどれだけ高くキープできていたかを10段階で表示。自分がどれくらいリラックスできていたかを可視化するのだ。そしてトレーニングを繰り返して、その感じを覚える。つまり脳を整えれば、例えば緊張する大事なプレゼンの前や集中して原稿を書こうと思う時などに、パフォーマンスを上げられるというわけだ。
さて2週間後、脳トレの成果はというと、ずばりこれによって記憶力がよくなったという実感はないが、自分が集中している状態、リラックスしている状態を客観視できるようになった気がする。集中して仕事をしようと思う時にやってみれば、いいスイッチにもなりそうだ。
「Neuro Switch」を監修した脳神経外科の世界的名医、中冨浩文氏は「脳は何歳からでもよみがえる」と言う。そう、身体同様、トレーニングしだいで脳の老化だって予防することができるのだ。
この記事はGOETHE 2025年10月号「総力特集:完全無欠の復活メソッド」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら