EXILEをはじめLDH所属のアーティストや五輪メダリスト、経営者などをサポートする、フィジカルトレーナー吉田輝幸さんによる著書『6つの力を養い、理想の働き方を叶えるトレーニング』から最新トレーニング理論を大公開。これまでの連載をピックアップして紹介する。寒さで憂鬱な冬にこそ家トレを強化し、目指せ! ビジネスアスリート。
心肺機能に喝を入れる方法とは
2020年は期せずして生活スタイルが大きく変わった人も多いはずだ。リモートワークで歩かない、動かない時期の習慣を引きずってしまい、体重が増えたとか、何とも身体がスッキリしないといった声も耳にする。
しかし、まだまだ変化も起こり得るなか、これからのビジネスアスリートには「スタミナ」が欠かせない。その日の仕事で体力を使い果たしてしまっていては、不測の事態に対応できないし、家族との時間を大切にしたければ、休日は寝てばかりというわけにもいかない。オンオフともに生き生きと毎日を過ごすためにも、疲れ知らずのスタミナを手にしたい。
吉田輝幸さんによるとスタミナとは「心肺持久力」のことで、これを高めるにはESDトレーニングが有効だと言う。ESDとはEnergy System Developmentの略で、直訳すると「エネルギー供給システムの開発」という意味だ。
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スタミナは強い心臓から生まれる
数あるスポーツのなかでも、スタミナがものをいう競技といえばマラソンやボクシングがあるだろう。前回、吉田輝幸さんに教わったとおり、スタミナ=心肺持久力だが、プロのランナーやボクサーの心肺の強さは「安静時心拍数」からわかる。
安静時心拍数とは人が安静にしているときの1分間の心拍数のことで、数値が低いほど心臓の機能が高いことを示す。同じ量の血液をポンプで送り出すにも、少ない拍動で済めば効率がよく長時間パワーを発揮できるからだ。健康な成人男女の安静時心拍数は60〜80回とされるところ、アスリートなら50回台、40回台の人もいるという。
「彼らの心臓がいかに強いかということです。心臓は、車でいうところのエンジンです。エンジンのパワーは排気量の数値で表せますが、排気量が大きければエンジンパワーは大きく、強ければ強いほど、加速性能に優れ、エンジンの回転数を抑えることができるわけです」(吉田さん)
ところが、心拍数が高い場合、同じ量の血液を送り出すにも多くの回数を拍動しなければならない。運動時など大量の血液を送り出す必要があるときには、すぐに負担が大きくなって心臓が疲弊してしまう。
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タフな身体の鍵を握る、毛細血管を鍛えるトレーニング
1日の仕事もひと段落し、そろそろ帰ろうかという頃。不測の事態はそんな時に限って起きたりする。ここでもし、体力を使い切って疲労困憊状態では、やる気も起きないし思考も鈍る。判断も誤りがちになり、仕事終わりでもスタミナに余裕がある人との間にパフォーマンスの差が出ることは明白だ。
「そのスタミナを左右するのが、心肺を中心とした循環系の機能です。運動する、仕事をする、人が身体を使って何らかの活動をするには、全身の筋肉に血管を通じて酸素を送ることが必要です。その中枢となる心臓の強さは『最大酸素摂取量』という指標で示されます」(吉田輝幸さん)
最大酸素摂取量とは、体重1kgあたり・1分あたりにどれだけの酸素を体内に取り込めるかを示す。さらには心臓の1回の拍動でどれだけ多くの血液を全身に送ることができるかという「酸素運搬能力」や、全身すみずみまで酸素を送るための毛細血管の発達の程度、体を動かすために使われる骨格筋における酸素を利用する能力も関わる。
ESDトレーニングはこうした循環機能を高め、心臓を鍛えるとともに、毛細血管も発達させるという。
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