EXILEをはじめLDH所属のアーティストや五輪メダリスト、経営者などをサポートする、フィジカルトレーナー吉田輝幸さんによる著書『6つの力を養い、理想の働き方を叶えるトレーニング』から最新トレーニング理論を大公開。これまでの連載をピックアップして紹介する。寒さで憂鬱な冬にこそ家トレを強化し、目指せ! ビジネスアスリート。
久しぶりに走る前に! 「正しい走り」をモノにする壁ドリル
初夏は、清々しい気候で本来ならばスポーツにはもってこいのシーズン。日頃のランニングはもちろん、この先のマラソンやトライアスロンなどの競技会に万全の体勢で参加するためにも、欠かせないのは「正しい走り方」をすることだ。また、近いうち無事に子どもの運動会が実施されるなら、「父兄参加のリレーでいいところを見せたい」と思うのも自然なこと。
周囲から一目置かれて、しかも結果も出せる走りとは、体幹で上半身を安定させ、股関節から脚を動かす。要するに「腰で走る」わけだが、この基本ができていない人が多いと、吉田輝幸さんは言う。
「速く走ろうと思うあまり、上半身が前のめりになり、腰が引けた走りになるのがよくあるパターンです。必要以上に脚を前に出さなければならなくなるため、かかとから着地するドタドタ走りになってしまう。これでは、見た目も悪いし、着地のたびにかかとのブレーキがかかるので速く走れません」
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トッププロも行う”最強ストレッチ”で怪我知らず
今年は数多くのスポーツイベントが中止となり、運動の機会が奪われてしまった。とはいえ、自宅でできるエクササイズやトレーニングは山ほどある。今回、吉田輝幸さんが紹介するのは、見た目に反して程よくハード、日常的な体力強化はもちろん、あらゆる競技のウォームアップに適しているというものだ。
「この動きだけで全身のさまざまな部位を動かすことができ、可動性や柔軟性も向上させます。いわば『最強のストレッチ』。サッカーや野球などのプロの現場でも、最近はこれを取り入れていないチームはないのでは?」
2002年にアメリカでこうした科学的理論に基づく最新のメソッドに出合った吉田さんは、以来、日本でもいち早く取り入れ、啓蒙してきたが、一般アスリートの間では「まだまだ普及の余地あり」だと言う。
「ランニング前のウォームアップで一般的に行われているのは、腕や脚を伸ばすだけのストレッチ。でも、効果の面で誤っているものも少なくありません。それを知らずに続けているから、走った途端に肉離れ……といったことが起きるのです」
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クセにさせない! 足首の捻挫は「すね」で防ぐ
前回触れた肉離れと同様、捻挫も起きがちなトラブルだ。足首の捻挫は、スポーツでの無理な動きや転倒などによって足首をひねり、関節部分が傷つくことによって起こる。痛みや腫れがなかなか治らなかったり、関節が不安定になっていると、骨折や靱帯断裂を伴う場合もある。予防のために運動前には足首を回したり、曲げ伸ばしをする人は多いと思うが、「それでは不充分」だと、吉田輝幸さん。
「足首の捻挫は、足首に負荷がかかって起きるもの。本来は違う部位を使うべきときに、足首を使ってしまう体のクセも原因のひとつです。捻挫を防ぐためには、日頃から足首だけでなくすねの筋肉を鍛えておくことが必要です」
そのためのエクササイズは、椅子に座わり、足首の上げ下ろしをするだけの簡単なものだが、
「使うのは足首ではなく、すねの外側の筋肉です。すねを使って足首を動かすよう、意識しながら行うことが大切です」
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膝の怪我を防ぐには、まず「尻」を鍛える
スポーツをしていても、日常のビジネスシーンでも、膝に悩みを抱えるビジネスアスリートは多い。骨折や半月板損傷、靭帯断裂など、膝のケガには深刻なものもあり、過去にこうした経験をしていると、膝を庇うために不自然な体の使い方になったり、それがかえって膝に負担をかけたり、という悪循環にもなりかねない。
そもそも、膝とは体の動きの安定性を図る関節。「曲げ伸ばしだけに使われるのが本来で、体重を支えたり、瞬発力やブレーキの役割は持っていません」と、吉田輝幸さんは言う。ところがこうした正しい体の使い方ができていないと、膝への負担が増す一方。そこで、ケガ予防のためにと膝を動かすようなストレッチやウォームアップをしていても、意味をなさないことさえある。
「膝の役目は、関節の曲げ伸ばしのみ。それ以外の下肢の動きを正すためには、お尻を鍛えることなんです。サッカーでも野球でも、走って止まる、スピーディに方向転換するといった動きは、お尻の使い方がモノを言います。寝ながらできるエクササイズで、臀部の筋肉を強化してください」
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