長時間のハードワークに耐えるスタミナや持久力、難題にも即座に立ち向かうガッツや反射神経など、仕事で闘う"ビジネスアスリート"には、スポーツアスリートのそれにも共通する心身のスキルが求められる。自宅にいながら短い時間で道具も使わず、効果の高いエクササイズを人気トレーナー、吉田輝幸さんに教わる。【吉田輝幸の目指せ! ビジネスアスリート19】
股関節からの脚の動かし方をマスター
初夏は、清々しい気候で本来ならばスポーツにはもってこいのシーズン。日頃のランニングはもちろん、この先のマラソンやトライアスロンなどの競技会に万全の体勢で参加するためにも、欠かせないのは「正しい走り方」をすることだ。また、近いうち無事に子どもの運動会が実施されるなら、「父兄参加のリレーでいいところを見せたい」と思うのも自然なこと。
周囲から一目置かれて、しかも結果も出せる走りとは、体幹で上半身を安定させ、股関節から脚を動かす。要するに「腰で走る」わけだが、この基本ができていない人が多いと、吉田輝幸さんは言う。
「速く走ろうと思うあまり、上半身が前のめりになり、腰が引けた走りになるのがよくあるパターンです。必要以上に脚を前に出さなければならくなるため、かかとから着地するドタドタ走りになってしまう。これでは、見た目も悪いし、着地のたびにかかとのブレーキがかかるので速く走れません」
こうしたクセの改善に役立つ、部屋の壁を使って行うエクササイズを紹介する。片脚ずつ上げ下げするだけの簡単さだが、壁に体重を預けることで姿勢が安定するため、股関節からの脚の動かし方をマスターしやすい。
「上げた脚を下ろすときは、なるべく足裏全体で着地し、床を押すような感覚をつかむこと。かかとで着地するドタドタ走りは、足を上げるときには無理につま先だけで地面を蹴ることになります。体が安定しないのでつまづきやすく、ケガのもとです」
「壁ドリル」で、フォームの改善とタイムの向上を目指そう。
#「正しい走り」をモノにする壁ドリル
目的・効果:走る動作のクセを改善して正しい姿勢と動きをマスター。
最高のパフォーマンスを出せる体をつくるために必要なのは、「6つの歯車」。今回のトレーニングは、プライオメトリクス&ムーブメント/瞬発力を高めて瞬時にパワーを出せる身体を作る。
Teruyuki Yoshida
パフォーマンス、スペシャリスト。トレーナー歴25年、トップアスリートの指導からヒントを得て最短で最大の効果を出せる「コアパフォーマンス®︎」を考案。数多くのアスリートやアーティスト、ビジネスパーソンのトレーニング指導を行っている。