長時間のハードワークに耐えるスタミナや持久力、難題にも即座に立ち向かうガッツや反射神経など、仕事で闘う"ビジネスアスリート"には、スポーツアスリートのそれにも共通する心身のスキルが求められる。自宅にいながら短い時間で道具も使わず、効果の高いエクササイズを、メジャーリーガーをはじめとする世界レベルのアスリートのみならず、著名な経営者や多くのビジネスパーソンが慕う人気トレーナー、吉田輝幸さんに教わる。【吉田輝幸の目指せ! ビジネスアスリート20】
抜群の運動効果を発揮する「キング・オブ・ストレッチ」
今年は数多くのスポーツイベントが中止となり、運動の機会が奪われてしまった。とはいえ、自宅でできるエクササイズやトレーニングは山ほどある。今回、吉田輝幸さんが紹介するのは、見た目に反して程よくハード、日常的な体力強化はもちろん、あらゆる競技のウォームアップに適しているというものだ。
「この動きだけで全身のさまざまな部位を動かすことができ、可動性や柔軟性も向上させます。いわば『最強のストレッチ』。サッカーや野球などのプロの現場でも、最近はこれを取り入れていないチームはないのでは?」
2002年にアメリカでこうした科学的理論に基づく最新のメソッドに出合った吉田さんは、以来、日本でもいち早く取り入れ、啓蒙してきたが、一般アスリートの間では「まだまだ普及の余地あり」だと言う。
「ランニング前のウォームアップで一般的に行われているのは、腕や脚を伸ばすだけのストレッチ。でも、効果の面で誤っているものも少なくありません。それを知らずに続けているから、走った途端に肉離れ……といったことが起きるのです」
肉離れは太腿裏のハムストリングスやふくらはぎに起こりがちだが、予防のためにはそこだけでなく、股関節や上半身も含めてしっかり動かし、筋肉を温めてやることが不可欠だ。肉離れを繰り返し、「いつも十分ストレッチしているのに、なぜ?」という人はぜひ、走る前段階から体の使い方の改善を。
「Stay Home」で体が鈍っている人にも、「これだけで充分といえるほどのストレッチですから、ぜひ毎日行ってください」と吉田さんは言う。
最高のパフォーマンスを出せる体をつくるために必要なのは、「6つの歯車」。今回のトレーニングは、プライオメトリクス&ムーブメント/瞬発力を高めて瞬時にパワーを出せる身体を作る。
Teruyuki Yoshida
パフォーマンス、スペシャリスト。トレーナー歴25年、トップアスリートの指導からヒントを得て最短で最大の効果を出せる「コアパフォーマンス®︎」を考案。数多くのアスリートやアーティスト、ビジネスパーソンのトレーニング指導を行っている。