いま、クリエイターやエグゼクティブの間でひそかに話題となっている場所がある。完全会員制、住所非公開の新感覚ラウンジ「UNBORN」だ。
最高のパフォーマンスを発揮するために
都内某所。
とあるビルのエントランスを抜け、うす暗い地下へと続く階段を下りていく。黒い扉の前にあるセンサーに顔をかざし、体温に問題なければ扉が開く。そこは1月にオープンした心のリラクゼーションラウンジ、UNBORNだ。
心のリラクゼーション――それは瞑想(メディテーション)だ。瞑想とは心を静めて無心になり、この瞬間にフォーカスすること。アメリカではビジネスに効果があると、エグゼクティブが習慣にしていたりする。しかし、無心になるのは簡単ではない。だから、いろいろなメソッドが存在し、ニューヨークではメディレーションスタジオも人気となっている。
ここUNBORNは、深い瞑想状態に入ることができる環境を整備。その名の通り、「生まれる前」の胎児のように思考や肉体の感覚を離れ、時を忘れた状態になる2つの体験を提供する。
そのひとつが「アイソレーションタンク」。
アイソレーションタンクとは、1950年代にアメリカの脳生理学者ジョン・C・リリー博士によって発明され、1970年代に実用化されたもの。スペーシーなカプセル型の装置の中は、人が浮かぶことのできる塩水で満たされている。光や音といった外界からの刺激は遮断され、体温とほぼ同じくらいの温度の塩水に浮遊することで無重力状態を体験。次第に肉体の意識がなくなっていくことで瞑想状態に入っていける。
海外ではハリウッドスターやアーティスト、アスリートが個人で所有していたり、福祉大国スウェーデンでは心理療法や医療の代わりとして活用しているそうだ。
実際にカプセルに入ってみると、途中から照明は消え、中は完全な暗闇に。やわらかく、ほのかにあたたかい塩水(死海の1.5~2倍の高密度)に浮遊する感じは、これまで体験したことがないもの。この状態で60分。体のどこにも力が入らず、不思議な感覚はやみつきになりそうだ。
瞑想状態からの覚醒
もうひとつは「カラーサウンドメディテーション」。壁も天井も黒い廊下の先に小さな扉があり、そこを開けると、白い不思議な形の、まるで繭のなかのような空間が広がる。ここで体験できるのは、音と光を全身に浴びながら行う世界初のカラーサウンドメディテーションだ。
マットに寝転がり、目を瞑る。かすかに感じる様々な光の色とともにガイダンスの声に従いながら、呼吸や全身の感覚に集中する。立体音響のパイオニア・伊藤カズユキ氏による「KISSonix Immersive 4D Sound」のサウンドが全身を包み込み、瞑想状態へ誘う(メニューはクリスタルボウルとゴングの2種類から選択)。なんともいえない気持ちよさを味わえる。
アイソレーションタンクや、カラーサウンドメディテーションでリフレッシュしたら、併設の「クリエイティブラウンジ」へ。空間内には井田幸昌、清川あさみ、WAKU、尾藤祐子らの作品が並ぶ。ここは脳をフル回転させる場所。体がリラックスしている状態だからか、新進気鋭のアーティストの作品からは強烈なエネルギーを感じられる。
UNBORNに通うクリエイターや経営者は「無心というよりは、体がリラックスしているのに脳は冴えまくり、企画やアイデアが浮かんだ」という。
そう、ここは最高のパフォーマンスを発揮するための、できれば人に教えたくない秘密の場所なのだ。
現在、ウェイティングは3000人以上いるそうだが、キャンセルなどで予約枠が空いた時は体験可能。今後さまざまなサービスの提供や情報も発信予定なので、まずはHPからウェイティングを登録してほしい。
UNBORN
場所は非公開
https://unborn.jp