今回は、ティーショットのマネジメントについて。

打ってはいけない場所を見極める
パー5のティーショットでドライバーを手にしたとき、あなたはいつも何を考えているだろうか。
「ここは2オン狙いで飛ばすぞ!」と飛距離を出そうと考えている人もいれば、「とりあえずフェアウェイの真ん中にまっすぐ打とう」と考えている人もいることだろう。
いつもボールが真っ直ぐ飛んで、飛距離も出ていれば苦労しないのだが、往々にして自分の意図しない方向にボールが飛んでしまうことがある。
打ち方によるミスでボールが曲がることもあれば、風によってボールが流されることもあるので、事前にホールの状況を把握しておかないと、思わぬトラブルになりかねない。
例えば、パー5のティーショットで、右サイドがOB、左サイドが林という状況の攻め方について考えてみたい。
ドライバーショットでビッグドライブを放ったり、フェアウェイど真ん中をとらえられれば理想的だろう。ティーイングエリアに立った時には、このような最高の結果とともに、最悪の状況も考える必要がある。
ボールを飛ばしてはいけないエリアを確認し、そこに飛ばないように対処する「危機管理能力」を高めることで、スコアをまとめることができるようになるのだ。
この状況で絶対に避けたいのは右サイドのOBだ。左の林に打ち込んでしまっても、なんとか脱出できれば、あとで挽回できる可能性がある。しかし、右のOBに打ってしまえば、パーを取ることは難しくなり、スコアを大きく崩すことになる。
このように、ティーイングエリアで打ってはいけないところを事前にしっかりと把握しておくことでスコアは大きく変わってくる。
自分の持ち球を考えて打つ方向を決める
ティーショットで危険なエリアを確認したら、次に考えることは自分の持ち球やミスの傾向だ。
いつもスライスしてしまう人は、右に曲がることを想定してターゲットを決めるといいだろう。フックになる傾向の人は、左に曲がることを考えつつ、飛距離が出て大ケガになりやすいプッシュアウトが出た場合も考えておく必要がある
持ち球によって狙う方向が変わるだけではなく、ティーアップする場所も変わる。スライサーの場合は、右に曲がることを想定して、ティーイングエリアの右サイドにティーアップし、対角線方向の左方向狙うといいだろう。フック傾向の人は、逆に左サイドにティーアップし、右方向を狙って打つことになる。
ティーイングエリアの向きによって、自分で気づかないうちに狙いが狂うことがあるので注意してほしい。
ティーイングエリアの向きをよく確認しないまま打つと、ナイスショットしたのにOBになるということがある。
ティーイングエリアが右を向いていて、右サイドがOBというシチュエーションでは、そのままティーイングエリアの向き通りに打つとOBになってしまう。このような状況では、ティーイングエリアの向きを確認しつつ、右サイドにティーアップして、左方向を狙って打つといいだろう。
自分が立っているティーイングエリアの向きは、意外にわからないので注意が必要だ。
ティーショットのマネジメントが決まったら、あとはクラブを振るだけだ。
ボールを打つときに、腕の振りや体の回転などのテクニックを考えている人がいるが、考え過ぎると体が動かなくなってしまう。できれば、あまり打ち方のことは考えず、気持ちよくスイングできるように心がけてほしい。どうしても考えてしまう場合は、1つだけに絞って考えると決めておくとだろう。
ドライバーショットを打つときは、理想の結果を思い描くとともに、周囲を見渡して準備を整えてほしい。最高の準備ができれば、望む結果を手に入れる確率は高まるはずだ。
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◼️吉田洋一郎/Hiroichiro Yoshida
1978年北海道生まれ。ゴルフスイングコンサルタント。世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベター氏を2度にわたって日本へ招聘し、一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。『PGAツアー 超一流たちのティーチング革命』など著書多数。