GOLF

2024.10.21

ZOZO注目トーマスの地面反力スイングを参考にして、アマでも飛距離UPできる方法

日本で開催される唯一のPGAツアートーナメント「ZOZOチャンピオンシップ」が2024年も10月24日からアコーディア・ゴルフ 習志野カントリークラブで開催される。今回は注目の出場選手、ジャスティン・トーマスを紹介する。吉田洋一郎コーチによる最新ゴルフレッスン番外編。

吉田洋一郎の最新ゴルフレッスン/ジャスティン・トーマスのスイング

日本で完全復活なるか

今回紹介するジャスティン・トーマスは、日本にもファンが多く、力強いスイングに憧れている人も多いだろう。トーマスはメジャー2勝、通算15勝のPGAツアーを代表する選手だ。

2016-17年シーズンは5勝を挙げて年間王者になり、2018年には世界ランク1位にも輝いた。現在31歳。プロゴルファーとして全盛期を迎えていてもおかしくない年齢だが、2023年は不調に陥って低迷し、プレーオフ進出を逃してしまった。

2024年は30人までが進出できるプレーオフ最終戦のツアー選手権に出場。フェデックスポイントランクを14位まで上げたが、レギュラーシーズンでは1勝もできず納得のいくシーズンとは言えなかった。そのトーマスが2019年以来、5年ぶりに日本でZOZOチャンピオンシップに出場する。

2022年の全米プロを最後に優勝から遠ざかる

トーマスの最後の優勝は、2022年の全米プロゴルフ選手権までさかのぼる。

最終日に首位と7打差7位でスタートし、5バーディー2ボギーで首位と並び、プレーオフでウィル・ザラトリスとの対決を制した。劇的な逆転勝利に多くのファンはさらなるトーマスの飛躍を予感していたことだろう。

ところが、それからトーマスはまったく勝てなくなった。

2023年シーズンは2月のWMフェニックスオープンの4位が最高で、メジャートーナメントはマスターズ、全米オープン、全英オープンのすべてに予選落ち。連覇を目指した全米プロも65位に沈み、話題にも上らなかった。

不振の原因はメンタルの問題だったようだ。

不振の原因について、「完璧にプレーしようとするあまり、多くのことを考え過ぎていた。パッティングコーチやスイングコーチの父に頼り過ぎていた」と語り、実際にパッティングコーチのジョン・グラハムとの契約を打ち切った。

周囲のアドバイスに耳を傾け過ぎて消化不良になり、自分を見失っていたということなのかもしれない。

振り返れば、トーマスの初優勝はプロ転向から3年目の2016年、CIMBクラシックだった。

2017年は松山英樹との一騎打ちを制して、SBS トーナメント オブ チャンピオンズで優勝。同年の全米プロゴルフ選手権でも一時首位に立った松山を逆転してメジャー初制覇を果たしたことから、松山のライバルとして記憶している人も多いだろう。

プレーオフ最終戦のツアー選手権にも2016年から毎年出場し続けていたが、2023年はプレーオフに進出することができなかった。プレーオフをテレビで観戦しながら、「この試合に出ることは当たり前のことではなかったのだ」と感じ、ツラい時間を過ごしたという。

ツアー選手権出場を果たすも、米国代表から落選

トーマスは復活するために自分のフィーリングに合う理想のクラブを探した。

まずはドライバーをこれまでよりシャフトが4分の3インチ長いものに変えた。パター探しは難航したが、アマチュアゴルファーとして輝かしい実績を持つ大学生のゴードン・サージェントから借りたパターを気に入り、スコッティ・キャメロンに自分用のパターの制作を依頼したという。

これまでとやり方を変えたことで、2024年は優勝こそなかったもののトップ10入りは5回、2年ぶりのプレーオフ進出を果たした。

そして、プレーオフではギリギリの30位で最終戦のツアー選手権の切符を手にし、ランキングを上げて最終順位を14位とした。

復調の兆しが見えてきたものの、9月にカナダで開かれた米国選抜と世界選抜の対抗戦、プレジデンツカップのメンバーには選ばれなかった。

2017年のプレジデンツカップから米国代表の座を守り、2023年も米国選抜と欧州選抜の対抗戦、ライダーカップにおいて、不調ながらキャプテンのザック・ジョンソンにキャプテンズピックのメンバーとして選出されていた。

2024年は完全復活とは言えない成績から不選出になることも覚悟をしていただろうが、落選はショックだったに違いない。それでもトーマスは再びアメリカ代表に選ばれることをモチベーションにしていくと再起を誓った。

プライベートでは、11月に第一子が誕生予定と発表をしており、心理面でプラスに作用することだろう。復活に向けてZOZOでどのようなプレーを見せてくれるのか楽しみだ。

地面反力を使えば左足は動く

ジャスティン・トーマスのスイングは、インパクトで両足が浮き上がる動きが特徴的だ。

この動きは意図的に行っているのではなく、地面反力を最大限に使うことで自然と足が浮く。最近の飛ばし屋と言われる選手たちは、トーマスのように地面反力を使うことでインパクトで左足が浮いたり、つま先の向きが変わる傾向がある。

地面反力を使ってスイングをする際のポイントは、左足を意識することだ。

トーマスのように極端に足を動かす必要はないので、まずは左足のつま先の向きを意識してみてほしい。左足のつま先を目標方向に回転させることで、垂直方向の軸を速く回転させることができる。

フィニッシュで左足のつま先が目標方向を向くように回転させてみてほしい。

この動きができるようになったら、今度は練習ドリルとして左足を背中側に一歩踏み出ししながら左足つま先を回転させてみよう。

インパクトで左足を浮かしながら後方に移動させることで、縦方向の地面反力を使ってスイングできるようになる。左足のつま先を回転させる動きと同時に行うことで、垂直軸と前後軸の回転によって体を速く回転させることができるのだ。

左足の使い方を意識するだけで、地面反力をうまく利用して飛距離を伸ばすことができるようになる。飛距離を伸ばしたいと思っている人は、ぜひ試してみてほしい。

動画解説はコチラ

吉田洋一郎/Hiroichiro Yoshida
1978年北海道生まれ。ゴルフスイングコンサルタント。世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベター氏を2度にわたって日本へ招聘し、一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。『PGAツアー 超一流たちのティーチング革命』など著書多数。

TEXT=吉田洋一郎

PHOTOGRAPH=ロイター/アフロ

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