世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎。顧客の多くが国内外のエグゼクティブ、有名企業の経営者という彼による、スコアも所作も洗練させるための“技術”と“知識”を伝授する最新ゴルフレッスンコラムをまとめて振り返る。ゴルフシーズン到来に向け、コソ練を積み重ねてスコアアップを目指したい。
ゴルフ上達のために冬にやっておくべきこと
ゴルフは年間通じて楽しめるスポーツだが、寒い冬にはあまり向いていない。気温が下がると、体が動かなくなり飛距離が出ないだけではなく、無理をするとケガをする可能性もある。コースコンディションは芝が枯れているだけではなく、上手くグリーンにのせたと思ったのに、地面が凍っていてボールが大きく跳ねてしまうといったトラブルもある。アマチュアの場合、気候がいい時のラウンドに比べて5打以上スコアが悪くなるだろう。寒いし、スコアが悪くてがっかりすることが多いので、冬はあまりコースには出ないという人も多いと思う。
だからといって、冬の間にクラブを一度も握らないというのでは腕が落ちてしまう。たまにはコースに出ないと、ラウンドの感覚が鈍ってしまうため、余裕があれば冬の間もコースに出たほうがいい。ただし、冬のコースに出るときは、いいスコアを出そうとか、練習の成果を試そうなどとは、初めから考えない方がいい。練習をするラウンドと割り切って、アプローチやパッティングなどグリーン周りに集中し、ミスやトラブルへの対処法を学ぶつもりで回ったほうがいいだろう。ベストスコアは、また暖かくなってからのお楽しみだ。
冬でもコースに出ることは大切だが、地域によっては積雪のため冬は閉鎖されるゴルフ場もある。そのような地域の人や、どうしても冬にラウンドをしたくない人は、練習を怠っているとクラブを握る感覚を忘れてしまうので、時間を作って練習だけはしておきたい。
続きはこちら
自宅でスライスを直すペットボトル練習法
ゴルフクラブを握る機会が少なくなると、どうしてもスイングの感覚を忘れがちになってしまう。そんな時は自宅でちょっとした工夫をしながら練習をするといいだろう。
今回はスライスを克服したい人向けに、自宅で手軽にできる練習法を紹介しよう。多くのゴルファーが右に曲がっていくスライスに悩まされているが、スライスがでる理由にはいくつかある。大抵の場合、スイングの軌道がアウトサイド・インになっていることが原因だ。ボールに対して外側から内側に振り抜くクラブ軌道と、開いたクラブフェースによって、ボールが左側に飛びだして途中から大きく右に曲がっていく。
アウトサイド・イン軌道になってしまう原因は人それぞれ違うので一概には言えないのだが、簡単に言ってしまうと手打ちになっているからだ。体全体を使わず、末端の手や腕だけでクラブをボールに当てにいく動作はアウトサイド・イン軌道になりやすい。右利きの場合、利き手の右手を使いすぎてしまうことで、より一層その傾向が強くなる。
多くの人は普段の生活の中で、大抵のことは利き手を使ってすませてしまう。おそらく、手を使うときの9割は利き手だろう。使い慣れた利き手によって自分の意思をスムーズに伝達できるメリットがあるが、ゴルフにおいては、器用すぎる利き手がトラブルの原因となってしまうことがある。レッスンの際、片手で素振りをしてもらうことがあるが、スライサーの場合、右手(利き手)でクラブを振ったときはアウトサイド・インになるが、左手で振るとアウトサイド・インにはならないことが多い。器用な右手はボールを打とうとアウトサイド・イン軌道になるが、不器用な左手はクラブの重さに任せて振るため、きれいなオンプレーンになるのだ。それだけスライサーは右手に頼ってボールを打ちにいこうとしていると言える。右手だけに頼らず、左手を使えるようにして左右のバランスをとることで、クラブの軌道を修正できるようになる。
続きはこちら
自宅でもできる2メートルのアプローチ練習
「ゴルフのスコアの6割はピンから125ヤード以内で打たれたもの」というのは往年の名選手、サム・スニードの言葉だが、それくらいグリーン周りのアプローチショットはスコアメイクに重要な要素だ。しかし、アマチュアがアプローチショットを練習する機会はあまり多くない。練習場に行っても、アプローチ専用の練習エリアは少ないし、打ちっぱなしでアプローチショットの練習に何球もボールを使うのはもったいないような気がするかもしれない。
練習不足になりやすいアプローチショットだが、わざわざ練習場に行かなくても、ボールをとらえるための基本的な練習は自宅で練習することができる。アプローチショットは距離感が大切といわれるが、その前に短い距離で練習し、ボールをしっかりとフェースにのせてコントロールできる技術を身につけてほしい。
自宅でアプローチショットを練習するときは、リビング、自分の部屋、廊下などどこでもよいが、周りの安全を確保できるスペースで行うようにしよう。スペースはクラブの振り幅を含めて、3メートルあれば十分だ。使用するボールは柔らかい素材でできた練習用のボールを使うといいだろう。通常の硬いゴルフボールだと、トップする恐れもあり、室内で思い切って練習することが難しい。しかし、練習用のボールであれば、短い距離のアプローチショットなら壁に当たっても大丈夫だ。
床はできれば練習用の人工芝のマットを敷いたほうがいいが、持っていなければカーペットの上でもいいし、フローリングの床なら厚手のバスタオルを敷くだけでもいい。そして、ペットボトルなどのターゲットを2メートル先にセットし、キャリーで当てるようにする。「2メートル先の目標物にボールを当てるのは簡単だ」と思うかもしれないが、短い距離ほどアプローチは難しいものだ。まずは2メートルの距離でアプローチショットの基礎をマスターし、その後ターゲットをランダム設定して距離を打ち分ける練習をしてみてほしい。
続きはこちら