世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎による、最新ゴルフレッスンコラム125回目。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。
冬のコースは練習ラウンドと割り切って
ゴルフは年間通じて楽しめるスポーツだが、寒い冬にはあまり向いていない。気温が下がると、体が動かなくなり飛距離が出ないだけではなく、無理をするとケガをする可能性もある。コースコンディションは芝が枯れているだけではなく、上手くグリーンにのせたと思ったのに、地面が凍っていてボールが大きく跳ねてしまうといったトラブルもある。アマチュアの場合、気候がいい時のラウンドに比べて5打以上スコアが悪くなるだろう。寒いし、スコアが悪くてがっかりすることが多いので、冬はあまりコースには出ないという人も多いと思う。
だからといって、冬の間にクラブを一度も握らないというのでは腕が落ちてしまう。たまにはコースに出ないと、ラウンドの感覚が鈍ってしまうため、余裕があれば冬の間もコースに出たほうがいい。ただし、冬のコースに出るときは、いいスコアを出そうとか、練習の成果を試そうなどとは、初めから考えない方がいい。練習をするラウンドと割り切って、アプローチやパッティングなどグリーン周りに集中し、ミスやトラブルへの対処法を学ぶつもりで回ったほうがいいだろう。ベストスコアは、また暖かくなってからのお楽しみだ。
基礎体力の向上と基本技術の確認を中心に
冬でもコースに出ることは大切だが、地域によっては積雪のため冬は閉鎖されるゴルフ場もある。そのような地域の人や、どうしても冬にラウンドをしたくない人は、練習を怠っているとクラブを握る感覚を忘れてしまうので、時間を作って練習だけはしておきたい。
練習する場所は、いつもの練習場でも構わないが、寒さをしのげるインドアの練習場が最適だろう。シュミレーションゴルフで楽しみながら実践感覚を養うのもいいが、インドア練習場は球の行方を気にしなくていいという特徴がある。このような球が見えない環境では、敢えてボールの行方を気にせず。スイング動作のチェックを中心に基礎的な練習をしっかり行うといいだろう。このような環境がない人は、自宅で素振り用の短いクラブなどで素振りをしてスイングの感覚を確かめてもいい。
また、良いスイングをするためには、基礎体力をつけることも大切だ。ストレッチや筋力トレーニングを行い、体の柔軟性を高めたり筋力を鍛えることで、体をしっかり使ってスイングできるようになる。また、1ラウンドを集中してまわれる持久力を養うために、有酸素運動のジョギングやウォーキングもいいだろう。
さらに余力があれば、新しいことや苦手な技術の習得に挑戦してみることをおすすめする。たとえば、短いパッティングが苦手なら、パターマットでパターのストロークを徹底的に見直すのもいいだろう。ただし、この場合は自分の感覚に頼るのではなく、動画を撮影して動きを確認したり、コーチのアドバイスを受けながら取り組んだほうがよい。客観的なチェックを取り入れながら練習することで、効率的に技術を習得することができる。
そして、最も大切なことは今年の目標をしっかり立てることだ。目標は「一度でも90を切る」とか「平均パット数を下げる」とか具体的に数値化し、それを実現するための方法も書いておくといいだろう。1年間、明確な目標を持って練習に取り組むことで、ゴルフに取り組むモチベーションは変わってくる。
冬は冬なりにやることがたくさんあるものだ。有意義な冬を過ごし、暖かくなったころにベストスコアを更新してほしい。