世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎。顧客の多くが国内外のエグゼクティブ、有名企業の経営者という彼による、スコアも所作も洗練させるための“技術”と“知識”を伝授する最新ゴルフレッスンコラムをまとめて振り返る。まだまだ厳しい寒さが続くが、ゴルフシーズン到来に向け、コソ練を積み重ねてスコアアップを目指したい。
ゴルフ場で飛ばしたければ、インパクトで力をこめるな!
2018年の「全英オープン」でイタリア出身選手として初めてメジャーを制したフランシスコ・モリナリは、30代半ばからスイングの改造に取組み、平均飛距離を3年間で約15ヤード伸ばした。モリナリのスイングコーチのデニス・ピューは、「飛距離が伸びたのは地面反力を用いたティーチングによるものだ」と語ってくれた。
「地面反力」という言葉は、最近のゴルフ界でもかなり浸透してきたので、地面反力を使ったスイングに興味を持っているアマチュアも多いだろう。
実際にトライしてみた人もいるかもしれないが、振り遅れてダフったり、プッシュやプルが出たりと、「やってみたけど、うまくいかなかった」という人が多いのではないだろうか。
その結果、「地面反力をうまく使えるのは、トッププロだけ」と諦めたアマチュアもいるかもしれない。しかし地面反力は実際のところ、私たちが日常的に受けている力で、特別な力ではない。コツさえつかめれば、アマチュアでも地面反力を利用して飛距離をアップさせることができるのだ。
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ゴルフ練習場の「つかんだ!」がすぐに消える理由
ドイツ帝国の初代宰相オットー・フォン・ビスマルクが残した名言として、よく知られている「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」だが、実際の発言は少し違うという。本当は「愚者は自分の経験に学ぶと信じている。私はむしろ他人の経験に学ぶのを好む」といった内容のことを言ったそうだ。
それが年月を経て、「他人の経験」が「歴史」に置き換わってしまったようなのだが、言えるのは「自分の経験」だけで何かを学ぶのは非効率であるということではないだろうか。
これはゴルフにもいえることで、練習やラウンドの経験だけを頼りに上達しようとすることは非効率だ。欧米では、毎日ボールを打つことができるプロゴルファーでさえコーチをつけている。普段あまり練習することができないアマチュアは、自己流に固執すれば思うように上達することは難しいだろう。
練習中やラウンド中に何もかもがうまくいき、「つかんだ!」と感じたことがある人がいると思うが、それはおそらく感覚的なもので、たまたま「ハマった」ものである場合が多い。基本となるフォームや体の動かし方といった「原理原則」が見つかったわけではないため、次のラウンドでは「つかんだ」感覚が消えてどのように打てばいいのかわからなくなる。
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マスターズ王者の変則スイングから飛ばしを学ぶ! 自宅でできるゴルフ思考レッスン
新型コロナウイルスの影響でマスターズの延期が決まった。毎年目をこすりながらマスターズをテレビ観戦していたゴルファーは、さぞかし落胆していることと思う。新型コロナウイルスの早期終息と、マスターズが年内に開催されることを祈るばかりだ。今回はマスターズ開催を願って、歴代のマスターズ王者から皆さんの参考になる選手をご紹介したい。
マスターズで2勝を挙げ、PGA 屈指の飛ばし屋として知られるバッバ・ワトソン。その飛距離は40歳を越えても平均300ヤードを超える。2012年のマスターズではプレーオフ2ホール目の10番ホールで林の中から90度近く曲がるフックボールを放ち、ピン下4メートルにつけるスーパープレーを披露。死闘を制し、メジャー初制覇を果たした。
ワトソンは父にクラブの握り方を教わって以来、コーチなどの指導を受けたことがないといい、独自に編み出したスイングは非常に独創的だ。インパクトの瞬間に目標側の足(ワトソンの場合左利きなので右足)が浮き、フォローにかけて右足が背中側に移動して体が開いたフィニッシュになる。ワトソンのような変則スイングは参考にならないと思う人も多いと思う。たしかに、足の動きは大きいし、スイングプレーンはアップライトでオーソドックスなスイング要素はほとんどない。しかし、目で見える動きではなく、目に見えない力の使い方を参考にしてほしい。特にワトソンの地面反力の使い方はアマチュアに大いに参考になる。変則スイングにこそ、スイングにとって重要なヒントが隠されているのだ。
バッバ・ワトソンはインパクトで目標側の足が浮き上がっているが、これは地面から縦方向の反力を受けているからだ。地面反力を使ったスイングでは、目標側の足(右利きの場合は左足)に体重をかけて、地面からの反発力を体の回転に利用する。このとき、目標側の足にかける力が強ければ強いほど地面反力も強くなる。
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