ゴルフ歴1年で70台に突入した大塚友広さんのゴルフ論とは。短期連載「スモールスイング・レボリューション」8回目。
コース設計者との化かし合いに勝つには、景色を見ないほうがいい
70台に入ってから、とても重要になってくるのがパターです。
「ドライバー・イズ・ショー、パット・イズ・マネー」という有名な言葉がありますが、やはりスコアを決めるのはパットです。70台以降のゴルフはパットでしか差がつかないといっても過言ではありません。
そして、ドライバーショット同様、パッティングにおいて最も重要なことは、「インパクト後の10センチ」にポイントを置くことです。インパクト後を整えることで、パッティングは飛躍的に向上します。
パッティングにも、ドライバーショットなどと同様につかまっていないボールが存在します。つかまっていないボールは、カップインまでのグリーンのラインに乗ってくれず、右にヨレたり、途中で止まったり、カップインの確率を下げることになります。ただ転がすのではなく、きちんとインパクト後を意識して、つかまったボールを打っていく必要があります。ただ転がすのではなく、きちんとつかまったボールを打つことがパッティング上達の第一歩です。
一打一打が重要になる70台のゴルフですが、80台、90台のゴルフでも応用できる内容です。インパクト後の10センチを大切にしたパターの練習を積極的に行うことで、一打一打がより近くなってきます。なぜなら、スモールスイングにもつながることですが、パッティングにはショットのすべてが凝縮されています。パッティングを整えることで、ウッド、アイアン、ウェッジ、すべてのショットが向上するからです。
私も調子が悪いときは、まず最初にパターのトレーニングをやります。パッティングを整えることができると、ドライバーまでのすべてのショットが改善されるためです。
また、パッティングにおいてもインパクトの目線軸は有効に働きます。上りライン、下りライン、フック、スライスなどによりインパクト時の微妙な圧力の違いを目線軸がサポートしてくれるのです。
大切なことは、いつもどおりのボール位置で、ストロークでも同じように、目線だけを変えることです。そして、インパクトの前後、とくにパッティングではインパクト後の10センチを忘れずに、大切にしながらストロークに臨みましょう。
ゴルフを始めてから70台を目指した1年間、誰よりも考えに考えたと自分では思っています。ダウンブローを知らなかった4カ月間には、ハードスペックのドライバーを肩が壊れるまで振った時期もありました。そうやって紆余曲折を経て、ようやく70台にたどり着いたからこそ見えたことだと思いますが、遠心力とクラブの動きの関係、インパクトの重要性、インパクト後の10センチを打つということ。さまざまな経験から学んだもののすべてが、パッティングに凝縮されています。
非常に小さく、繊細な動きだからこそ、正しい動きを行えなければ正しいパッティングにはなりません。「大は小を兼ねない、しかし小は大を兼ねる」のがゴルフです。パッティングを徹底的に行うことで、そのまま大きなクラブのレベルも上がっていくことは私の経験から間違いのないことです。
ゴルフにおける究極の「小は大を兼ねる」がパッティングです。
パッティングには、ゴルフで大切なすべてが詰まっているのです。
ラインごとの目線軸の起点
※ボールの上の番号は「①上り/②平ら/③下り」を表す。
Tomohiro Otsuka
群馬県富岡市生まれ。メンタルヘルステックサービスを展開するラフール執行役員。AJGAアジアジュニアゴルフ協会理事兼GM。HED法人営業デジタル化協会理事。富岡製糸場の世界遺産プロジェクトに公募による民間登用で観光マネージャーに就任。その際にゴルフを始める。独学でゴルフ理論を構築し、1年でベストスコア70台前半に到達する。オンラインゴルフコーチング「Natural Works Golf」も主宰している。