その品質の高さで海外から評価されるメイド・イン・ジャパン。特にファッションにおいては、近年のクラシック回帰の流れから、日本の伝統的な技術や素材までもが注目されているのだ。ここでは、日本の繊細な仕事にフォーカス。伝統カラーである黒と金を中心に、日本が世界に誇るブランドのこだわりの逸品を集めた。今回は、日本が誇る美色「黒と金」のアイテムを紹介する。【特集 日本のハイブランド】

ある種対極にあるのに相互作用する伝統色
ファッションにおいて黒と金は、黒い着こなしに金の小物を合わせ、センスあるラグジュアリーを演出する王道の組み合わせ。そんな黒と金は、日本の魅力を伝えるうえでも欠かすことのできない美色だ。
表情を引き締め深みへと誘う黒は、西洋では不吉な色とされており、ネガティブイメージがあるかもしれない。しかしながら日本では、奥行きのある色とされ、とりわけ漆器に見られる深い黒は、不吉ではなく“見えない”ことの美しさに価値があるとされている。さらに黒は引き立てる色、脇役でもある。
一方金は、それ自体が富の象徴ではあるものの、日本の金はギラつきを感じさせない色。金継ぎや屏風などにも使われているが、それは豪華さを示すだけでなく、空間を満たす役割も担っている。つまり、つなぐ色、価値を与える色ということだ。
日本では古来より重宝されてきた伝統色で、遺伝子に刻まれているとすれば、ファッションの王道というのも納得。黒が金を引き立て、価値を押し上げる。調和することで一段階上の価値を与えてくれるのだ。
1.グランドセイコー|ブランドを象徴するモデルを18金で構築
1967年に誕生し、「グランドセイコースタイル」として確立した44GS。そんな伝説的モデルを継承した本作は、ザラツ研磨による歪みのない艶やかな鏡面に、ピンクゴールドケースが相まってエレガンスを添える。

自動巻き、18KPGケース、ケースサイズ47.4×40mm。¥7,920,000(グランドセイコー/セイコーウオッチお客様相談室 TEL:0120-302-617)
2.G-Shock|ハイテク時計に“和”の美しさを宿す彫金
ハイエンドラインの「MR-G」シリーズに、彫金師による彫刻を施したモデルが登場。MR-Gのタフさや機能美はそのままに、意匠が男らしくも洗練された存在感を披露する。世界限定800本。
3.セーラー万年筆|漆に金と銀を塗り重ねた、比類なき万年筆
明治から続くステーショナリーブランド。金属粉で地を作り、擦り切れたように金属箔を貼り、漆で仕上げた万年筆は、塗り重ねによる独特のムラが唯一無二の存在感を放つ。ペン先は21金を採用。弾力のあるしなやかなペン先で、表情のある字を書くことが可能に。

4.田中貴金属|飾ってよし、飲んでよし。最高峰のひと時を
世界で7社しかない、金と銀の「公認審査会社」が手がける金食器。職人による手作業で1点ずつ18金を成形し、表面加工を施している。ひと目で最高級とわかるぐい呑みは、自宅時間を優雅に格上げするのはもとより、飾っても絵になる。

破損した愛用品を生まれ変わらせる再構築の美─金継ぎ─
大切な食器を何かの拍子に割ってしまった……なんてことはないだろうか。金継ぎはそんな破損した愛用品を、漆を使って修復する伝統技術のことで、それを手がけてくれる名店が「金継ぎ撫日子」だ。
同店では金や銀のほかに黒漆など、全5種類の仕上げが可能。レザーの傷や古着独特の使用感を”味”と捉えるように、再構築し新たな息吹を吹きこむことで、愛用品への愛着もさらに増すはず。

この記事はGOETHE 2026年3月号「総力特集:日本のハイブランド」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら



