質実剛健、タフで無骨なアイテムは、屈強な男らしさを倍増させるブースターだ。定番の再解釈や再構築、モダナイズで洗練と鮮度が加味された新作を纏えば、自ずと背筋も伸び、日々の活力もみなぎる。コーディネート編。人気スタイリスト・野口強による連載「The character of G」。
1.プラダ|ボリューミーなバランスで見慣れたアイテムが新鮮に
ヴィンテージ風にエイジングしたムートンを、オーバーサイズのMA-1風のアウターに仕立てた1着。たっぷりのボリュームが今風のバランスを形成し、スタイリングにモダンなインパクトを添えている。
2.バーバリー|デッドストックを彷彿させるラフな風合いが出色
バーバリーのお家芸でもあるトレンチコート。チェックのコットンキャンバス地に洗いをかけ、着古した風合いをプラスした1着は、トレンチコートの新たな可能性を見出す進化型ともいえる傑作だ。
3.タフ&シックのバランスとコンビネーションが冴える
深みのあるブラウンムートンに、端正なシアリングアクセントが映えるB-3タイプのフライトジャケット。上品なアウターのムードに合わせて、ボトムは同系色のストライプパンツとレザーブーツで、シックにまとめるのが得策。
4.トム フォード|適度な緊張感が心地いい、金ボタンのオーバーコート
ミリタリーの礼装に見られる金ボタンコートを、ウエストをほのかに絞った流麗なシルエットでブラッシュアップ。襟裏のレザーのハンガータブやチンカバー、背面のドレープなど、巧みなディテールが、凛とした佇まいをよりいっそう引き立てているのも秀逸。
5.コモリ|ブランドの底力を思い知るアイテムバランスに感嘆
米軍のフィールドジャケットとして1960年代に採用されたM-65をベースに、ほどよいサイズ感とこだわりのバランスで、デイリーに着られる1着に。ルーズなニットとパンツをあわせてリラクシーなムードに整えても、男っぽさが匂い立つスタイリング。
6.エルメス|異なる質感を巧みに配したミックスシックを堪能する
肉厚ウールのコートは、英海軍のブリッジコートを彷彿とさせるデザイン。右身頃に配されたレザーマキシポケットや、中に着たコットンブルゾンのナイロンフードのような質感の異なる生地とのマッチングが、スタイリングを小気味よく仕上げる名脇役に。