仕事の出来はプライオリティをどこに置くかで大きく左右される。秋口の店頭ではレザーアウターが真っ先に売れていくといわれる近年。注目はひとヒネリのきいたもの。となるとまず手に入れるべきは――? 人気スタイリスト・野口強による連載「The character of G」。
1.ボッテガ・ヴェネタ|人は見かけによらぬもの。シャツも見た目によらぬもの
薄くしなやかに鞣(なめ)した極上のブルレザーにチェック柄をプリントし、リラックスフィットに仕上げたボタンダウンシャツ。カジュアル然としながらも、よく見るとラグジュアリーという、だまし絵のようなギミックが痛快。相手の意表を突くサプライズ・ピースは、会話の糸口としても大いに盛り上がる。
2.ルイ・ヴィトン|アイコニックなモチーフをプレイフルに散りばめて
シアリングムートンブルゾンにダイヤモンドモチーフのステッチをオン。ヴィンテージ風のパッチやターコイズ風のリベットが、アメリカ西部のムードを放つ。ティンバーランドとのコラボブーツも別格の存在感。
3.ロエベ|リラクシーなバランスでタフなアイテムも優美に
丁寧にカットされたシアリングと見るからに柔らかな表革とのコントラストが美しいアビエータージャケット。ラグランスリーブ仕立てなので着心地も快適で、ファスナーを開けカーディガン感覚でさらりと羽織ってもサマになる1着。
4.ジル サンダー|モダンかつ硬質な輝きが佇まいに聡明さを添えて
シャイニーな光沢が、クールで硬質な印象のガラスレザー。’90年代のムードが匂い立つ素材を、モダンなカッティングでブラッシュアップしたコートは、モノトーンでこそ着映える。
5.エルメス|卓越したクオリティと風格で、纏った気配までも美しく
シックなアビエータージャケットは、グレーのフランネル生地をフロントと裾から覗かせることで重ね着風に見せたトロンプルイユ仕立て。ディアスキンのレザーや美しく刈りこまれたシアリングの襟など、素材やディテールのクオリティの高さにメゾンの美学が息づく。
6.ディオール|タイムレスな魅力を放つ、ベルテッドアウターの完成形
肉厚のカーフレザーが、革本来の醍醐味を存分に堪能させてくれるサファリ風のベルテッドジャケット。淡いベージュのコーティングが柔らかな印象を増幅し、ノスタルジックなムードと澄んだ気品をプラス。メゾンの洗練された美意識が宿る渾身の1着に。
7.ジュンヤ ワタナベ マン|驚愕の異素材マッチングで、アイテムの奥行きが豊かに
リーバイス®レッドの1stサックコートを、一枚革でリファインしたコラボモデル。半裏、袖裏つきで着心地はスムーズ。ボタンをきっちり留めれば、がぜんシックな佇まいに。
8.セリーヌ オム|洗練された美意識が際立つ、ムートンコートの演出力
ミニマムなシアリング仕上げでワイルドさが増したムートンコートは、端正なスモーキングとのコントラストで贅沢なムードを。絶妙なメリハリが小気味よさを加速する。