ENTERTAINMENT

2025.05.20

佐野元春、名曲を再構築した45周年アルバム『HAYABUSA JET1』の中身とは

今、チェックしておきたい音楽をゲーテ編集部が紹介。今回は佐野元春の『HAYABUSA JET1』。

佐野元春氏

切なさ増すリ・レコーディング。夜の都会をロックでスケッチ。

2025年デビュー45周年を迎えた佐野元春が、記念アルバム『HAYABUSA JET1』をリリースした。「Youngbloods」「ジュジュ」「約束の橋」など1980〜90年代のリスナーの心を揺さぶったナンバーを2025年バージョンでリ・レコーディング。「ガラスのジェネレーション」は「つまらない大人になりたくない」に「Down Town Boy」は「街の少年」へと改題された。

佐野は“詩人で画家”だ。都会の夜のストリートをロックのビートでスケッチする。その景色を歌の主人公が走り抜けていく。言葉に力があり歌詞が描く物語が目の前で展開するようだ。だから作品が普遍性を帯び、40年経っても色褪せない。アレンジやバンドが変わってもリアルに響く。曲タイトルのジュジュや、歌詞中の深夜のシアターで佇む少年に会いたくなる。

演奏はThe COYOTE BAND。佐野とは20年間一緒にレコーディングし、ツアーをまわっている。音が鳴っている時と鳴っていない間のバランスは絶妙。心地よくハスキーに響く今の佐野の歌が、言葉が、しっかりと伝わってくる。2025年7月から始まる全国ツアーが楽しみだ。

佐野元春の音楽がまた、切なさを増した。

佐野元春『HAYABUSA JET1』

佐野元春『HAYABUSA JET1』

Daisy Music ¥3,850。

ʼ80〜ʼ90年代の「約束の橋」「ジュジュ」など10曲をリ・レコーディング。2025年7月5日から45周年アニバーサリーツアー。詳細はこちら

Kazunori Kodate
音楽ライター。近著は『不道徳ロック講座』(新潮新書)、『ジャズ・ジャイアントたちの20代録音「青の時代」を聴く』(星海社)。他に『新書で入門 ジャズの鉄板50枚+α』(新潮新書)など多数。

TEXT=神舘和典

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