今、チェックしておきたい音楽をゲーテ編集部が紹介。今回は、PinkPantheress(ピンクパンサレス)の『Heaven Knows』。
軽妙なエレクトロニック・ビートと切なくて“エモい”メロディ
今、UKやUSの音楽シーンで最も注目を集めるひとりと言っても過言ではない、ロンドン出身で現在22歳のシンガーソングライター/プロデューサー、PinkPantheress(ピンクパンサレス)。
ラッパーのアイス・スパイスとコラボした「Boy's aliar Pt.2 」の世界的なヒットや映画『バービー』のサウンドトラックへの参加も話題を呼んだ彼女からデビューアルバム『Heaven Knows』が届いた。
2021年、TikTokをきっかけにブレイクを果たし音楽シーンにセンセーションを巻き起こしたピンクパンサレス。その魅力は、軽妙なエレクトロニック・ビートと切なくて“エモい”メロディの融合にある。
音楽性の基盤となるのはドラムンベースや2ステップ。’90年代から2000年代初頭にクラブ・ミュージックとして隆盛していたこれらのビートをベッドルーム・ポップとして再構築したスタイルだ。
アルバムは、アフロポップの俊英Remaをフィーチャーした「Another Life」や情熱的なギターサウンドが印象的な「Capable of love」などソングライティングを磨き上げた一枚。繊細な歌声も聴きどころだ。
盟友のムラ・マサが「キュート・コア」と称する唯一無二のセンスが発揮されている。
Tomonori Shiba
音楽ジャーナリスト。音楽やカルチャー分野を中心に幅広く記事執筆を手がける。著書に『ヒットの崩壊』『平成のヒット曲』などがある。