豪華ゲストとたどりついた官能の新たな宇宙
ディスコナンバー「セイ・ソー」は、TikTokから火がつき全米No.1を獲得。各国の主要アワードで新人賞を受賞し、一躍時代の最前線に躍り出たラッパー&シンガー、ドージャ・キャットのサード・アルバム『プラネット・ハー』は、豪華なゲストと共にその魅惑的なポップセンスを押し広げている。
まず惹きつけられるのは、今年のスーパーボウルのハーフタイムショーでも圧巻のパフォーマンスを見せた、ザ・ウィークエンドとのコラボ曲「ユー・ライト」。すでに恋人がいるのに別の相手を求めてしまう女性を主人公に、男女それぞれの目線から心と身体の交わりを描いたセクシャルなR&Bナンバーだ。
アリアナ・グランデをフィーチャリングに迎えた「アイ・ドント・ドゥ・ドラッグス」では、ふたりのファルセット・ボイスを重ねて恋する相手から離れられない執着を歌う。シザを迎えたディスコナンバー「キス・ミー・モア」は曲名のとおり、愛する相手との熱烈なキスをモチーフにした1曲だ。他にもダンスホール、トラップ、ローファイ・ビートなど多彩なサウンドが並び、挑発的なラップとキュートな歌を自在に乗りこなす彼女のボーカルが映える。とても官能的で興奮に満ちている。
Tomonori Shiba
音楽ジャーナリスト。ロッキング・オンを経て独立。音楽やサブカル分野を中心に幅広く記事執筆を手がける。著書に『ヒットの崩壊』『渋谷音楽図鑑』がある。