今、チェックしておきたい音楽をゲーテ編集部が紹介。今回は、コールドプレイの『Music Of The Spheres』。
来日間近のコールドプレイ! 宇宙規模のエンタメアルバム
2023年11月、コールドプレイがやってくる。2021年にリリースした『ミュージック・オブ・ザ・スフィアーズ』のワールド・ツアーだ。
このアルバムはスタジアム規模のギグにふさわしい。舞台は宇宙や近未来。スケールがでかい。クラシック音楽のようにトータル性が強い。そのままギグのセットリストにできるクオリティと構成で、壮大な愛が歌われていく。SF大河ドラマのようなロックだ。
前作『エヴリデイ・ライフ』後パンデミックを経て新時代の幕開けのような「ハイヤー・パワー」で、バンドの世界観に一気に取りこまれる。テクノの導入からオーケストラのように展開する「ヒューマンカインド」で気持ちがぐんと上がる。「ビューティフル」「♡」「コロラチューラ」、BTSをフィーチャリングした「マイ・ユニバース」はじっくりと聴き入ってしまう。
来日公演は東京ドーム。かつてビッグエッグと言われた楕円のスタジアムは、無数の星が輝くような演出になるだろう。
サービス精神旺盛な彼らは、このツアーで「ヴィヴァ・ラ・ヴィダ」「チャーリー・ブラウン」「フィックス・ユー」など、キャリアを通しての代表曲もしっかりやっている。大エンタテインメントが期待できる。
Kazunori Kodate
音楽ライター。『新書で入門 ジャズの鉄板50枚+α』をはじめ著書多数。最新作は『不道徳ロック講座』(新潮新書)。2023年11月に『ジャズ・ジャイアントたちの20代録音
「青の時代」名曲名盤』(星海社)を出版。