フェラーリが新ミッド・リアエンジン・ベルリネッタ・スパイダー、「296 GTS」を発表した。シリンダーバンク角が120°のV6ターボエンジンとプラグインの電気モーターを組み合わせた新型モデルは、これまでにないパワフルなドライビングを可能に。好奇心旺盛なクルマ好きの遊び心をくすぐる、新たな相棒になること間違いなしの一台だ。
進化した最新スパイダーという跳ね馬の新たなる一手
デザインと機能性の両方を兼ね備えた比類なきカーブランド、フェラーリからドライビングの楽しさをワンランクアップさせる新型モデル「296 GTS」が登場した。コンパクトなキャビンとフェンダーやサイドボディを融合させる「エアロブリッジ」や、オープンエア・ハイブリッドモデルならではの洗練された美しいボディラインに組み込まれたルーフなど、細部にいたるまでこだわりを感じられるデザイン。そして、なんと言っても今回の目玉は、跳ね馬のバッジを付けた公道用スパイダーにはじめて搭載された6気筒エンジンだ。
2021年に発表された296 GTBから実装された最高出力830cvの新フェラーリ V6 ハイブリッド・パワートレインと、122kWのプラグイン・ハイブリッド（PHEV）モーターを組み合わせた296 GTSは、これまでにないパフォーマンスの高さと刺激的なサウンドを実現。総排気量（2992cc）と気筒数、そしてグラン・ツーリスモ・スパイダーの頭文字であるGTSを組み合わせて命名されたモデル名は、フェラーリの75年におよぶ歴史に深く根ざした新たな V6 時代の幕開けを告げる存在だ。
今回の新型モデルに採用されたプラグイン・ハイブリッドシステムは、抜群の利便性を誇るだけでなく、ペダル・レスポンスをゼロにまで短縮し、電力のみを使うeDrive モードで25kmの航続距離を可能に。1963年250 LMといった名車を参考にしたというボディは、シンプルさと機能性を見事に両立。スポーティーな波打つデザインとコンパクトなサイズで、モダンなフォルムを視覚的に印象づける。
また軽量なリトラクタブル・ハードトップにより、最高45km/hまでなら走行中でもわずか14秒で開閉が可能に。格納時には二つに分割しながらエンジンの前方に平らに折りたたまれるので、エンジンベイの放熱特性は変化させずにエンジンカバーの後方部分に窓を設けることで、新型 V6 をはっきり見ることができる。これなら通勤や買い物などの日常的な走行に、いつもと違う楽しみを加えることができるだろう。
さらに296 GTSを最大限に活用したい人には、軽量パーツや空力的モディファイを含むAssetto Fioranoパッケージがお勧め。カーボンファイバーを初めとする軽量素材をキャビンとエクステリアに使用しただけでなく、ドアパネルなどの標準仕様の基本構造を再設計することで、全体で8kg の大幅な軽量化を実現。加えて、Assetto Fioranoパッケージのみオーダーが可能なものとして、ミシュランの高性能タイヤ、パイロット・スポーツ・カップ 2R があり、高いグリップ力でサーキット走行に適した仕様にできる。
日本価格などはまだ明らかになっていないが、長い一本道を進化した新型スパイダーで駆け抜ける爽快さは、フェラーリ好きなら一度は試しておきたい。これまでにない快適な乗り心地に期待しながら、これから発表される最新情報に注目したい。
フェラーリ 296 GTS
ボディサイズ：全長4565 ×全幅1958×全高1191mm
ホイールベース：2600ｍm
エンジン：V6–120、ターボ、ドライサンプ
総排気：2992cm3
最高出力ICE：663 cv
最高出力 ハイブリッドシステム：610 kW 830cv / 8000rpm
最大トルク：740Nm / 6250rpm
変速機：8速 F1 DCT
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